アメリカで、今「睡眠ビジネス」が熱い!
写真はイメージ SurkovDimitri-iStock
<6時間の睡眠を7時間に変えるだけで、2264億ドル(約25兆円)の経済効果が見込めるという試算も>
ニューヨークで、お金を払って良質な睡眠を取るスペースが話題を呼んでいる。「Dreamery by Casper(ドリーマリー・バイ・キャスパー)」は、マットレス販売のスタートアップが始めたラウンジ&個室を備えた睡眠専用スペース。一方ここ数年マインドフルネスが注目を集めるアメリカでナンバー1アプリとして知られる「Calm(カーム)」が、ブース型睡眠スポットの販売を始めた。忙しい現代のビジネスマンたちにとり、良質な睡眠の確保を金で買う時代がいよいよ到来だ。
眠ることの喜びを感じる場所
非営利団体RAND(ランド)社の調べによると、米国は年間4110億ドル(約45兆円)を、疲れた労働者のために失っていると言われている。同社の試算によれば、現在6時間の睡眠を7時間に変えただけで、2264億ドル(約25兆円)の追加経済効果が見込めるというのだ。
ヨーロッパには、「シエスタ」文化が根付いているものの、米国やアジアでは、居眠りは注意に値するものと言われてきた。しかしこのところ、睡眠の重要性が声高に叫ばれるようになった。そんな中、米国で最も忙しい街ニューヨークでは、「睡眠」をテーマとしたビジネスまで登場した。
マットレス販売をするスタートアップの「キャスパー」は、昨年夏に25ドル(約2700円)で45分の良質な睡眠を提供する場所「ドリーマリー・バイ・キャスパー」をマンハッタンにオープンさせ話題を呼んだ。
2014年にメーカーとしてマットレス販売を始めたキャスパーは、このラウンジスペースを、マーケティングの拠点とするだけでなく、「自宅以外にも睡眠を取る場所を提供することが目的。眠ることの喜びを感じる体験をたくさん作り出すことにある」と、ビジネス誌のファスト・カンパニーからの取材に対応した同社シニアVPのエレノア・モーガンは話す。
ドリーマリーのセッションチケットを販売する「Classpass.com」には、1000件以上の利用者レビューが掲載されているが、5段階評価の4.9と非常に高く、昼寝はもちろん、単純にゆっくりとした静かな時間を過ごすためにこのドリーマリーを利用する人もいるという。