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米人種問題チャールストンにはためく南北戦争の亡霊
黒人襲撃事件を機に、南軍旗をボイコットする動きが全米に広がっているが
象徴 意味合いは白人と黒人とでまったく異なる Jason Miczek-REUTERS
伝統のある黒人教会で、黒人信者9人を射殺したとして白人至上主義の男が逮捕されたサウスカロライナ州チャールストン。
ヘイリー州知事は今週、州議会議事堂脇に掲揚している南軍旗(コンフェデレート・フラッグ)の撤去を議会に求めた。
南軍旗は、150年前の南北戦争で、奴隷解放を訴えたリンカーン大統領の北軍に対抗した南部諸州が使った旗。南部の白人にとってはアイデンティティーの一部だが、黒人にとっては奴隷制度の象徴だ。
ディラン・ルーフ容疑者(21)は犯行時、アパルトヘイト(人種隔離)国家だった南アフリカとローデシアの国旗を胸に付けており、車のナンバープレートには南軍旗を付けていた。彼にとっては南軍旗が白人優位の象徴だったことは明らかだ。
事件後は、南軍旗をナチスの鉤十字になぞらえる声もあり、アマゾン・ドットコムやウォルマートなどの小売り大手も、続々と旗とその関連商品の販売中止を発表。ボイコットの動きが広がっている。
だがチャールストンに残る黒人差別は旗だけではない。トーク番組ホストのジョン・スチュワートは今では全米で有名になったモノローグで、「サウスカロライナでは、黒人が車で走る道に南軍の将軍たちの名前が付いている。彼らは黒人には自由に道路を使わせまいとして戦った将軍たちだ」と、人々が見て見ぬふりをしてきた差別に警鐘を鳴らした。
州議会ではこれから南軍旗を撤去するかどうかの議論が始まるが、保守派議員の強い抵抗が予想されるという。