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個人情報IT配車サービスUberの対メディア報復が怖い
幹部が語ったのは「ジャーナリストの私生活を調べてネットでさらす」という計画
急成長の影に 世界中の都市に進出するUberにはタクシー業界からの反発もある Kai Pfaffenbach-Reuters
ITを駆使した配車サービス会社「Uber(ウーバー)」は、メディアの批判がことさら気に入らないらしい。メディアの批判が嫌いなのはどんな会社も一緒だが、Uberが他の企業と違うのは、批判的な記事を書いた記者が先週末の夜、何時にどこから帰宅したか、などの情報を掴んでいることだ。
ウーバーは、スマートフォン専用アプリを使ってハイヤーやタクシーを呼べるサービス。09年にシリコンバレーで誕生し、簡単に車が呼べて料金はアプリで自動的に決済できる手軽さなどが受けて、今では世界中の都市に進出している。しかし規制の厳しいヨーロッパなどでは、新規参入を警戒する既存のタクシー業界から反発も起きている。
ニュースサイト「バズフィード」の記事によると、ウーバーの幹部は、批判の矛先を向けてくるメディア記事に対抗するためにまで自社のIT技術を「駆使」するつもりらしい。
バズフィードのベン・スミス編集長は、こう書いている。
ウーバーの経営幹部は、批判的なメディアのスキャンダル探しをする「反対派リサーチチーム」の設置を考えているとほのめかした。具体的には、ウーバーを批判した女性ジャーナリストの私生活をネットで拡散するという。
(ウーバーの社長補佐エミル・マイケルは)ニューヨークでのディナーの席上、「100万ドルかけて」リサーチャー4人とジャーナリスト4人を雇う考えを開陳。このチームがメディア側の「私生活や家族」について調べ、メディアがいつもやっていることを逆に味あわせるせてやる、と語った。
実際、ウーバーのニューヨーク支部長は、会社の運営方針をめぐってバズフィードの女性リポーターと議論する中で、彼女のプロフィールにアクセスしていた。彼女はウーバー側とメールでやり取りしていたが、プロフィールへのアクセスを許可したことは一度もない。
この記事に対して、マイケルは食事の席で自分の口から出た言葉は、頭の中で考えていたこととは違う、と弁明した。
もちろん、これはウーバーのポリシーにも反している。ウーバーの広報担当者は、バズフィードに対して「(「反対派リサーチチーム」の)活動は、プライバシーとデータ利用に関する社のポリシーに明らかに違反する」と、語っている。
© 2014, Slate