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アメリカ社会

銃乱射で分かった精神医療体制の不備

2014年5月28日(水)17時25分
ブライアン・パーマー

──どんな状況下なら保護者や警察当局者などは、ある人物が社会にとって脅威だからという理由で精神病院に入院させることができるのか? 精神疾患を持つ人物の銃乱射事件が頻発する中、法律の改定が必要だろうか。

 強制入院法は州によって異なる。トーリーのNPOは今年2月に、それらの評価をウェブサイトに掲載した。カリフォルニアの法律は最も慎重な部類に入る。だからロジャーのような人物を入院させることはとても難しいだろう。

──危険な精神病患者を特定し、治療するのに適切な予算配分が行われているか? そうした人々を治療する施設は足りているか?

 答えは、明らかにノーだ。たいていの州と同じく、カリフォルニア州では公立病院の精神科病床の95%が閉鎖されている。ロジャー氏を精神鑑定のために強制入院させるという決断がなされても、受け入れる病床が見つからないだろう。精神疾患治療の公的システムは完全に崩壊している。

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