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災害援助

ハイチ食料援助はアメリカの農業振興策?

大地震後、アメリカが食料を大量に持ち込んだことでハイチ農民は苦境に追い込まれた

2012年3月22日(木)17時20分
ジェイコブ・クシュナー

両刃の剣 支援か火事場泥棒か Kena Betancur-Reuters

 10年にハイチで大地震が発生すると、米政府は1億4000万ドル規模の食料支援を行った。だがその結果、アメリカの農民が潤う一方でハイチの農民が犠牲になったとの批判がある。

 米国際開発庁(USAID)がハイチに送ったアメリカ産の農作物は約9万トン。ハイチ公正連合(HJA)によると、地震後に米政府から送られた支援の4分の3近くに当たる。

 批判者に言わせると、ハイチの農家はただでさえ安い輸入農作物に押されて苦しんでいたのに、アメリカによる大量の食料支援のせいでさらなる苦境に陥ったという。

「米政府の狙いは自国作物の『輸出』だったのではないか」とHJAのネイサン・ヤフェ。「人道より自国の経済的利益が優先されているようにみえる」

 USAID側は、地震直後のハイチでは市場も物流も機能停止に陥っていたので、現物での食料支援が有効だったと主張。「300万人にも上る被災者への一律配給から始め、徐々に援助の的を絞っていった」

 だがハイチの農民グループは、地元で作物を調達すべきだったと語る。国内に食料はあったのだから「外から大量に持ち込む必要はなかったはずだ」。

[2012年2月29日号掲載]

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