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インターネットウィキペディアと米議会の仁義なき戦い
海賊行為防止法に反対するウィキペディアなどのサイトは、自らの利害のために事実をねじ曲げているとの批判も
サービス停止 ウィキペディアが使えなくなってみるとどれだけ依存していたかがわかる Wikipediaより
オンライン百科事典ウィキペディアが18日、現在米議会で議論されているオンライン海賊行為防止法(SОPA)に抗議するためにサービスを一時中断した。同様に何千ものサイトがサービスを一時的に中止している。
ブログソフトのWordPress、ソーシャルニュースサイトのReddit、ブラウザFirefoxを開発するモジラ財団、ツイッター関連サービスを提供するTwitpicも、SOPAと上院で議論されている同様の法案、知的財産保護法(PIPA)への関心を高める目的でサイトを封鎖した。
英BBCによれば、全米映画協会(MPAA)はサイトの中断を「無責任」で「ばかげた行為」だと主張している。
しかし米CBSニュースによれば、サイトを中断するサイトやネット企業は、SOPAとPIPAの規制に従えば、新興企業が違反行為への対策にかかる費用をねん出できないだろうと考えている。
「この法案の立案者はインターネットがどう機能しているのか本当に理解しているようには思えない」と、WordPressの共同設立者であるマット・マレンウェッグはBBCに語っている。
MPAAのCEOで会長のクリス・ドッド元上院議員は、サービス中断は「巧妙な戦略」であるとの声明を発表した。
「情報への入口の役割をするプラットフォームが、企業の利害を推進するためにユーザーを煽り立てようと事実を意図的にねじ曲げることは、危険で厄介な動きだ」とドッドは言う。
米政府は先週末に法案の修正を望む意向を発表し、両法案の立案者たちは問題ある記述のほとんどを排除することに決めた。上院では24日に投票が行われる。
一部の大学生は、ウィキペディアがないと大学の課題ができないと早くも音を上げている。