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ペイリン新番組は大統領選に吉か凶か

熊に遭遇したり娘の恋人を追い出すリアリティー番組でタフなイメージ作り

2010年12月2日(木)13時41分
井口景子(本誌記者)

 毎度お騒がせな元副大統領候補サラ・ペイリンが次に狙うのは視聴率女王らしい。アラスカの大自然で生きるペイリン一家の姿を追う全8回のリアリティー番組『サラ・ペイリンのアラスカ』が先週、ケーブルテレビ局TLCで始まった。

 初回は500万人が視聴する大ヒットに。ペイリンが熊に遭遇する場面や自宅の2階に上がり込んだ娘の恋人を追い出すシーンなどプライベート映像が満載で、家族(と国)を守るタフなイメージが打ち出されている。

 次期大統領選に向けたPR戦略か、はたまたセレブ界への転身の布石か。さまざまな憶測が流れるなか、ペイリンは初回放映直後に「私ならオバマ大統領に勝てる」と出馬を示唆した。もっとも番組が政治的にプラスに働くかは微妙なところ。金切り声で騒ぐ姿に共和党内からも疑問の声が上がっている。

 ブッシュ政権の重鎮カール・ローブは「大統領としての重みがない」とバッサリ。保守派ティーパーティーの指導層の多くが出馬に懐疑的という報道もある。さらに結果が未確定だったアラスカ州の上院選で先週、ペイリンが支持した候補者の敗北が確実になった。「ペイリン神話」崩壊は実は加速しているのかも。

[2010年12月 1日号掲載]

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