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『ラリー・キング』終了どうなるCNN

25年続く看板トーク番組が視聴率低迷で打ち切りへ。今後は伝統の「中立性」を捨てて政治色を打ち出すのか

2010年7月5日(月)14時58分
ジョシュア・オルストン(アトランタ支局)

中道司会者 キングのような党派色の薄いキャスターはもう受けないのか Chip East-Reuters

 ラリー・キングが6月29日、25年間にわたって司会を務めてきたCNNの看板トーク番組『ラリー・キング・ライブ』を秋に終了すると発表した。キングは家族ともっと一緒に過ごすためなどとお決まりの言葉を並べたが、降板させられたという見方が強い。

 キングは76歳で、引退生活も悪くないかもしれない。むしろ今後を心配する必要があるのはCNNのほうだ。このところCNNのゴールデンタイムの視聴率は振るわず、とりわけ『ラリー・キング・ライブ』は急降下していた。

 CNNはこれまで中立性を誇りにしてきた。しかし右派のビル・オライリーやリベラル派のキース・オルバーマンの人気からも分かるように、視聴者は政治色のはっきりしたフィルターを通してニュースを知りたがっている。

 CNNは6月23日、ピュリツァー賞受賞のジャーナリスト、キャスリーン・パーカーと買春スキャンダルで辞任した前ニューヨーク州知事エリオット・スピッツァーが、共同司会を務めるニュース番組を始めると発表した。番組が中立過ぎるとつまらないとCNNも気付いたらしい。

 ネット上ではキングの後継候補が取り沙汰されている(本人は『アメリカン・アイドル』の司会者ライアン・シークレストを希望とか)。だが問題は誰になるかより番組の内容かもしれない。重要人物に庶民感覚でインタビューするキングのようなスタイルを継ぐのか。それとも中間選挙が近づくなか、政治色を強く出した番組がいいのか。

 CNNがテレビ界の逸材を失うことは間違いない。オライリーのような挑発的なスタイルが25年間も続くとは思えないが、キングの降板はテレビにおける1つの時代の終わりを意味するだろう。

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