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米外交

オバマも絶句、カダフィのトンデモ演説

2009年9月24日(木)17時36分
マイケル・イジコフ(ワシントン支局)

ヒラリーはカダフィ演説を退席

 だがアルメグラヒの釈放で、アメリカの当局者の一部とパンナム機爆破事件の遺族は、カダフィが長年、テロに関わってきたことをあらためて思い出した。

 22日の遺族会との会合で、ブレナンはアルメグラヒ釈放について、オバマ政権は事前に知らされていなかったと述べた。

 さらにブレナンは、国連総会で続けて演説をするオバマとカダフィが「絶対に近づくことがない」ように政府は努力すると話したという。7月の主要8カ国(G8)首脳会議で、オバマとカダフィがカメラマンの前で握手したことを思うと大きな違いだ。

 23日の国連総会ではカダフィが演壇に向かうなか、ヒラリー・クリントン国務長官やスーザン・ライス国連大使らアメリカ政府高官が退席。ここからもアメリカ政府がリビアと距離を置き始めたことが見て取れる。

 演壇に立ったカダフィは茶色の丈の長い衣装をまとい、早口のアラビア語でまくし立てた。安全保障理事会のことを「テロ理事会と呼ぶべきだ」と非難し、イスラエルが63年のケネディ暗殺の背後にいたかのような発言もした。

 カダフィの推理では、ケネディ暗殺犯のリー・ハーベイ・オズワルドを殺したジャック・ルビーは「イスラエルの」工作員だったそうだ(ルビーはユダヤ人だったがイスラエルとの関係は確認されていない)。

「カダフィはぶざまな愚か者という真の姿をさらけ出した」とテデスキは演説の後で述べた。「この世のあらゆる人々の悪行を偉そうに言い立てた。自分のことは棚に上げて」

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