注目のキーワード
トランプ
投資
文字サイズ

最新記事

映画

『Dr.パルナサスの鏡』が描く奇想天外ワールド

A Gift for Imagery

印刷

----パルナサス博士が導く鏡の向こうの世界では、悪魔が薦める欲望の道か、節度ある道のどちらかを選択することになる。あなたならどちらに進む?

 私の経歴を見れば明らかだろう(笑)。いつだって困難を伴う道を選ぶ。学習しないんだ。何が起きるか分からないほうが面白い。私は強迫観念症なんだ。退屈なのが嫌いでね。休暇は耐えられない。何もせずにリラックスなんて、退屈極まりない。退屈と戦うために仕事をしているようなものだ。家でも映画の話ばかりするので、妻には嫌がられている。家族の話をしましょうよって。
 
----『Dr.パルナサスの鏡』はイギリスやカナダ、フランスの共同制作だが、今のハリウッドの問題はどこにあると思う?

 アメリカのカネが絡まない「きれいな作品」なのが自慢だ(笑)。最近のハリウッドは奇妙なことになっている。映画会社は1億ドルを超える制作費の掛かる超大作か、1000万ドル以下でできる小規模な作品のどちらかしか手を出さない。1000万ドル以下の予算では、コメディーやちょっとした恋愛物くらいしか撮れない。

 あるいは『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『アバター』のように巨額の制作費を掛けたものになってしまい、その中間の作品がない。低予算の映画はどれもテレビ映画程度の出来で、劇場で上映するのに値しないような代物ばかりだ。一方コストの掛かる超大作では、リスクを避けるために似たようなストーリーばかりを語っている。

----今回の作品ではハリウッドの映画会社の呪縛から逃れて、自由に撮れた?

 そうとも。ワインスタイン兄弟からの解放だ!(注:前作『ブラザーズグリム』はハーベイ・ワインスタインが会長を務めていたミラマックスの作品)。もっともこれはカネの問題ではなく、人間関係の問題だがね。
 
----あなたの作品にはコンピュータ技術は欠かせないが、技術の進化によって失われたものはあると思う?

 これまで難しかったイメージを映像化できるという点で、コンピュータには感謝している。だが問題は、それに頼り過ぎている作品が多過ぎるということだ。若い人には3Dは楽しい体験かもしれないが、私は年を取った。3Dは必要ない。確かに『アバター』の映像は美しいが、ストーリーは目新しくないし、想像力を刺激されない。物語に入り込む余地がないんだ。私ならすべてを説明しないで、観客を迷路に誘い込むさ。(『アバター』の監督)ジェームズ・キャメロンは自分のやりたいことをやり、私は私のやりたいことをやる。

今、あなたにオススメ

最新ニュース

ワールド

ペルー大統領、フジモリ氏に恩赦 健康悪化理由に

2017.12.25

ビジネス

前場の日経平均は小反落、クリスマス休暇で動意薄

2017.12.25

ビジネス

正午のドルは113円前半、参加者少なく動意に乏しい

2017.12.25

ビジネス

中国、来年のM2伸び率目標を過去最低水準に設定へ=現地紙

2017.12.25

新着

ここまで来た AI医療

癌の早期発見で、医療AIが専門医に勝てる理由

2018.11.14
中東

それでも「アラブの春」は終わっていない

2018.11.14
日中関係

安倍首相、日中「三原則」発言のくい違いと中国側が公表した発言記録

2018.11.14
ページトップへ

本誌紹介 最新号

2025.5. 6号(4/30発売)

特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門

2025.5. 6号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

Introduction AI時代に国際ニュースを英語で読む
【AMERICAS】
アメリカ 絶好調のトランプとアメリカ国民の蜜月が続くヤバさ
中南米 米中ロが攻防を繰り広げる世界の大国の「チェス盤」
【EUROPE】
ロシア 100年の恨み噴き出す戦争に終わりは見えず
ウクライナ 反骨の男ゼレンスキーをトランプ禍が悩ます
イギリス 欧州のリーダーとしていま浮上する不思議
ドイツ 財政均衡の呪縛を脱し政治経済立て直しへ
ヨーロッパ 不安の時代に流動化する欧州大陸
【ASIA】
中国 老いゆく経済大国にくすぶる火種
日本 トランプ時代に試される石破の「脱安倍」外交
韓国 ダイナミックで不安定 現状変更が好きな国
北朝鮮 貧困と孤立から脱皮へ 知られざる大変化
インド 世界一の人口大国に経済覇権の夢あり
【MIDDLE EAST & AFRICA】
イスラエル/パレスチナ 終わりなき混沌の歴史をひもとく
サウジアラビア 米中ロとわたり合う全方位外交の狙い
イラン 国内締め付けと核開発 ハメネイに迫る決断の時
中東・アフリカ 今も終わらないイスラム国の脅威
デジタル雑誌を購入
最新号の目次を見る
本誌紹介一覧へ

Recommended

MAGAZINE

特集:静かな戦争

2017-12・26号(12/19発売)

電磁パルス攻撃、音響兵器、細菌感染モスキート......。日常生活に入り込み壊滅的ダメージを与える見えない新兵器

  • 最新号の目次
  • 予約購読お申し込み
  • デジタル版

ニューストピックス

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム&ブログ
  • 最新ニュース