最新記事

英語学習

英語学習のモチベーションを保つには、目標設定がカギになる

2019年1月25日(金)10時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

新形式のTOEICに対応して各スクールもテスト対策を強化している anyaberkut-iStock.

<2016年5月に出題形式が変更されてから一年が経過したTOEICテスト。スクールでの試験対策にも変化が表れている>

2016年の改訂でTOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)は、英語の使われ方などの現状を反映し、より実践的な英語力が問われる出題形式を一部の問題に採用。攻略テクニックだけでは高得点を取るのが難しくなったと言われている。

果たして、新しいTOEIC L&Rの対策にはどのような勉強法が効果的なのか。1993年に創立し、TOEIC対策指導の専門校として知られる「エッセンス イングリッシュスクール」(東京・池袋)の加藤優・主任講師にテスト対策の最新事情を聞いた。

まずは基礎力を身につけることが前提

改訂以前は、特定のパターンに従って質問や答えが設定されていることが多かった。そのため、例えばリスニングの応答問題では、キーとなる言葉だけを注意して聞けば正解を推測することができた。ところが改訂の最も大きなポイントは、話し手の意図や背景に潜む意味も汲み取った上で答えを選ばなければならなくなったところ。

加藤氏は、「一般的には難しくなったと感じる人が多いと思う。普段から英語を使う環境にいる人にとっては、それほど難しくはないはずだが、テクニック重視で対策してきた人にとっては攻略しづらい」と分析している。

そのため、TOEIC対策の各スクールでは新形式に対応して指導を強化。受験者も基礎力を身につける必要があると認識するようになった。リスニングの場合は基本的な聞き取る力の底上げが必須で、最も効果があるのは音読だと、加藤氏は言う。

toeic170614-02.jpg

エッセンス イングリッシュスクールの加藤優・主任講師

模擬問題を解いた後にスクリプトの内容を確認し、音声を手本にして、一文ずつ同じように発音。音声と同じスピードで読めるようになるまで、何度も繰り返す。すると、英語が聞けるようになるだけでなく、内容が同時に頭の中に入ってくる。「ただ声に出すだけでなく、どんな状況で話しているのかをイメージし、役者になったつもりで読むことが大事」と補足する。

さらに効果的なのが、シャドーイングと呼ばれるトレーニング法だ。英語の音声を聞いて、聞こえた通りに即座に発声する。最初はスクリプトを見ながらでもいいので、トレーニング自体に馴れることが重要。ある程度できるようになれば、スクリプトを見ないでシャドーイングする。これができれば、英語を100%聞き取ることができるようになる。

リーディングの長文読解では文章の区切りに印をつけて、意味のまとまりごとに理解していく「スラッシュリーディング」という手法を重視。「日本人は英語を英語のまま、速く読むというのが苦手。新しい出題形式によってさらに読む量が増えているので、長文全体の内容を素早く捉える力を鍛えるには、今までの意識を変えなければならない」と指摘する。そのため、まずは長文を精読して内容を100%理解した上で、同じ文章を繰り返し読み、スピードを速めていくトレーニングが有効だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中