「語学アプリ本当に効果ある?」英大学研究者がユーザー調査で突き止めたこと
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<「女性は男性より利用頻度が少ないが、1回の利用時間は長い」...フィードバックは役立つか、学習体験はどう評価されているか。世界中で人気が高まる語学アプリの実態調査が行われた>
世界各地で人気の高い語学アプリは、革命的な外国語学習ツールと評判だ。文法を練習できるし、ボキャブラリーを増やして大きな満足感を得られる。ただし、その効果の程には議論もある。特にライティングやスピーキングの場合はどうか。
語学アプリの代表格、Duolingo(デュオリンゴ)とBusuu(ブスー)についての過去の研究では、おおむね肯定的な結果が出ている。だが、この研究の参加者は主に、語学講座で学びながら追加でアプリを活用する人だ。そのため、語学アプリそのものの効果を正確に捉えているとは言えない。
語学アプリユーザーの実像や利用法、考え方を知るため、筆者はしばらく前、ブスー利用者4095人を調査する研究を行った。最大の目的は、アプリによる外国語習得は可能かどうかを突き止めることだ。
ブスーは計12言語を提供し、現在の登録ユーザー数は約9000万人。無料と有料のサービスがある。
筆者の研究によれば、ユーザーの男女比はほぼ均等で、半数以上が18~25歳の若年層だった。5割以上が初心者であると回答し、習得レベルの上昇とともにユーザー割合は減少していた。アプリを利用している理由としては、大半の人が個人的関心や旅行の予定、キャリアまたはプライベートでの目標、外国への留学・移住を考えているためと回答している。
ユーザーの大多数は、利用頻度は週に数回で、1回の利用時間は平均15分間。女性は男性より頻度が少ないが、1回の利用時間はより長い。これは過去の研究でも指摘されていた。
アプリ利用は一般的に、非公式な学習活動と受け止められている。事実、定期的に時間を設けて学ぼうとする(つまり、より公式な学習姿勢の)ユーザーの割合は3分の1で、時間があるときに利用するという人が3分の2を占めた。
語学アプリでのフィードバックは、正解か不正解かの判断だけになりがちだ。それも役には立つが、語学教師や研究者が推奨するように、正しい理由や間違っている理由を説明してくれることはない。ブスーの場合も文法解説はないが、それでもフィードバックへの評価は高く、ユーザーの75%以上が「よい」または「とてもよい」と回答した。
学習体験の満足度も非常に高い。「期待どおり」または「期待以上」と回答した利用者は92%超に上り、86%が同アプリを「とてもよい」または「よい」と評価。実際、ブスーのおかげで学習中の言語の知識が向上したと「思う」または「強く思う」ユーザーは82%以上に達した。
研究結果は、学習者が語学アプリは役に立つと評価していることを示した。語学アプリは時間を使う価値ありと見なされていることは、こうしたアプリが短期間にどれほど進歩したかを証明している。
公式の語学教育がよりコミュニケーション重視に変化するなか、間違えても気にならない場を求めて、学習者はアプリに目を向けている。誰にもミスを知られない環境は、多くの学習者が外国語で話すよう求められた際に陥る「パフォーマンス不安」の解消にある程度、効果的だ。
言い換えれば、語学教師はアプリに脅威を感じる必要はない。むしろ、文法の反復練習にアプリを活用するよう学習者に勧め、貴重な授業時間のより多くを会話に割くべきだ。
Fernando Rosell-Aguilar, Senior lecturer in Spanish and Open Media Fellow, The Open University
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
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