円安の今こそ買いたい銘柄は「円安じゃなくても」の日本企業
復興感を強めるキヤノン Thomas Peter-REUTERS
<こんな時こそ、「円安効果を差し引いても好調な外需型企業」に注目するのが一法。兜町を歩き該当企業を探したところ、顔見知りの老獪なアナリストがある企業の名を挙げた>
円安じゃなくても好調な企業を探せ!
円安が加速した。10月18日には1ドル=149円台まで値下がりする場面もあり、その後、一時は150円台に突入した。
円安が「外需型企業にフォロー」であることは、周知の事実。だが一方では、日銀が新たな介入に踏み切ることも想定される。そこで、「円安効果を差し引いても好調な外需型企業」に注目してみるのが一法ではないだろうか。兜町を歩き該当企業を探したところ、顔見知りの老獪なアナリストがある企業の名を挙げた。浜松ホトニクス<6965>。「製品がニッチ市場で高いシェアを占めていることから、地政学的なリスクにも抵抗力のある外需企業」だという。
光電子倍増管で約90%の世界シェアを占め、光検出機器関連の高技術にも定評がある。前期(9月期)の「20.5%増収、52.7%経常増益、51.6%最終増益、8円増配48円配当」に続き、当期も「8.1%増収(1828億円)、12.3%経常増益(389億円)、13.0%最終増益(283億円)、8円増配56円配当」の計画。だが3月25日に「産業用機器分野を中心に想定を上回る売上増」を主たる要因に、それぞれを「1990億円、493億円、360億円、64円配当」に上方修正した。事業の好調自体は円安進行前の、前期決算から理解できる。こんな具合だ。
●電子管事業......医療分野でPCR検査用装置などの需要が内外で伸長。半導体検査装置向けが海外を主に増加。これに伴い半導体ウエハ検査装置向けの光源が需要増。
●光半導体事業......医療分野でX線・CTスキャン向けのシリコンフォトダイオードが、内外で継続して需要が高まった。産業分野ではイメージセンサ(半導体製造・検査装置向け)や、産業用ロボット向けファクトリーオートメーション分野でフォトIC・フォトダイオードが売り上げ増。
●画像計測機器事業......検体検査装置向けボードカメラが、北米で継続的に需要増。遠隔病理診療用デジタルスライドスキャナーが、欧州を中心に伸長。
浜松ホトニクスと同様の視点から、こんな企業にも魅力を覚える。