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為替原油安で資源国通貨売り、ドル指数はリスク回避で下落
原油価格の急落でドルがカナダドルや豪ドルなどの資源国通貨に対して大幅に上昇した
12月8日終盤のニューヨーク外為市場では、原油価格が急落したことでドルがカナダドルや豪ドルなどの資源国通貨に対して大幅に上昇した。写真はドルとユーロの紙幣、3月撮影(2015年 ロイター/Stoyan Nenov)
終盤のニューヨーク外為市場では、原油価格が急落したことでドルがカナダドルや豪ドルなどの資源国通貨に対して大幅に上昇した。ただ安全通貨とされる円やスイスフランなどが買われたため、ドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は結局下落してこの日の取引を終えた。
米原油先物は2009年初頭以来の安値水準に下落して、終盤は0.4%安の1バレル37.51ドル。北海ブレント原油先物は、2009年2月以来の安値となる1バレル39.81ドルに沈んだ。過剰な供給と低迷する需要への懸念で、原油価格が急落している。
これを受けて資源国通貨が独歩安となり、ドル/カナダドルが2004年半ば以来となる11年ぶり高値の1.3623カナダドルを付けた。ドル/ノルウェークローネも、2002年4月以来で13年ぶり高値の8.8194クローネまで買われた。
また同じ資源国通貨の豪ドルは、11月の中国貿易収支で輸出入の前年比割れが続き中国経済の減速懸念が払拭されず、鉄鉱石価格の下落と相まって売られた。豪ドル/米ドルは、終盤、0.85%安の0.7203ドルでの取引となっている。
TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、Mazen Issa氏は、「資源国通貨にとっては最悪の状況だ」と述べた。
一方、円やスイスフランなどは、リスク回避の動きの中、安全資産としての需要が高まり上昇。終盤のドル/円とドル/スイスフランはそれぞれ0.3%安と0.75%安で取引されている。ドル指数は直近0.2%安の98.445だった。
ユーロ/ドルは終盤の取引で、0.5%高の1.0887ドル。ニューヨークの午後の取引時間帯で一時1.09ドル台の大台を回復した。
ユーロ/ドルは、先週3日に発表された欧州中央銀行(ECB)緩和策が市場の失望を誘い約7カ月半ぶりの安値に下落していた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンで主席グローバル通貨ストラテジストを務めるマーク・チャンドラー氏は、「10月半ば以降の動き(ユーロ安)をただ訂正しているだけだというのがいまのところの仮説だ」と述べ、「それはECBの緩和策発表が部分的に引き金となっているが、市場のポジションの傾きが行き過ぎたことが影響していることは明らかだ」との見方を示した。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取り組みとロイターの計算によれば、ECBの定例理事会のあった週に投機筋によるドルの買い持ちが8カ月ぶりの高水準に達していた。
ドル/円 NY時間終値 122.95/123.00
前営業日終値 123.31
ユーロ/ドル NY時間終値 1.0891/1.0896
前営業日終値 1.0833