最新記事

日本経済

7&iHDとファーストリテ、年内めどに包括業務提携へ

小売りとSPAのツートップが手を携えるその先は──

2015年7月31日(金)13時17分

7月31日、セブン&アイ・ホールディングスとファーストリテイリング は、年内をめどに包括的な業務提携を行う方針を固めた。2013年10月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 31日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>とファーストリテイリング <9983.T>は31日、包括的な業務提携を行うことで協議していることを明らかにした。幅広い分野での提携により、変化への対応を強化する。

年内をめどに提携の具体策を詰めていくが、インターネットで購入したユニクロの商品をセブンイレブンの店頭で受け取れるようにするほか、新ブランドなども検討課題となる。海外でも協力する。

ファーストリテは「両社が小売りの将来を見据え、さまざまな分野での業務提携に向けた話し合いを始めていることは事実」とのコメントを発表した。7&iHDの広報担当者も「包括提携で話し合いを始めたことは事実」と述べている。

7&iHDは約1万8000店のコンビニ店舗網を有しており、ネットで購入したユニクロ商品のセブンイレブン店頭での受け取りを可能にし、消費者の利便性を高める。ユニクロの商品をコンビニで受け取ることができるようになるのは初めて。

この他、商品や物流など幅広い分野での提携を検討しているが、具体策は今後の協議となる。

拡大するネット通販では、携帯などを使ってどこからでも、いつでも注文でき、それを好きな場所で受け取ることができる、という体制作りが進んでいる。全国に5万店超あるコンビニは社会のインフラとも言え、ネット通販の受け取りには欠かせない場所となってきている。

楽天 <4755.T>は、楽天市場の対象商品について、ヤマト運輸と契約のあるコンビニ約2万店やヤマト運輸の営業所での受け取りを可能にした。また、通販大手のアマゾン・ジャパンは、ローソン <2651.T>やファミリーマート <8028.T>などのコンビニで受け取ることができる。

小売業界ではネット販売への対応が各社の課題となっている。ファーストリテは大和ハウス工業<1925.T>との物流網構築のほか、今年6月にはアクセンチュアとIT技術構築で提携するなどしてきた。一方、7&iHDは、今秋に実店舗とネットを融合させる「オムニチャネル」を本格的にスタートさせるため準備を進めている。

(清水律子 編集:内田慎一)

120x28 Reuters.gif

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ制圧のクルスク州、ロシアが40%を奪還=

ビジネス

ゴールドマンのファンド、9億ドル損失へ 欧州電池破

ワールド

不法移民送還での軍動員、共和上院議員が反対 トラン

ワールド

ウクライナ大統領、防空強化の必要性訴え ロ新型中距
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    2人きりの部屋で「あそこに怖い男の子がいる」と訴え…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中