最新記事

宗教

「ハラール・セックスショップ」がサウジに出現

イスラム教徒の聖地メッカに、イスラム教徒向け「性生活向上」グッズを販売する店がオープン

2015年4月22日(水)15時27分
アーロン・モリソン

ベールを脱ぐ…… アダルトショップはイスラム女性のイメージを変えるか?(写真はハラール食品を扱うローマの食料品店) Alessandro Bianchi-Reuters

 イスラム教徒の大多数はハラール(イスラム法で「合法的」とされる食事や生活様式)を厳守して生活している。セックスに関する話題はほとんどタブーだ。つまり「ハラール」と「セックス」は禁断の組み合わせ、のはずだった。

 しかしイスラム圏にもアダルトグッズ市場は存在しているようだ。何しろイスラム教の聖地、サウジアラビアのメッカにまでアダルトショップがオープンするというのだから。

 アラビア語のニュースサイト「アルヤウム24」によれば、メッカで近日「ハラール・セックスショップ」という店がオープンする。オーナーのアブデルアジズ・アウラーの話では、店頭で扱うのはハラールに則った商品で、顧客は性生活をより充実させたい夫婦だという。「売っているのは女性の人形ではなく、カップルが雰囲気を盛り上げたり、性欲を高めたりするためのグッズだ」

 ハラールは通常、イスラム教徒の飲食が許される食べ物や飲み物を指すが、同時にイスラム法の下での物の使い方についても定めている。

 アウラーは、ヨーロッパで最大のアダルトグッズ販売チェーン、ドイツの「ベアーテウーゼ」と提携して、イスラムの教えにかなった18種類のグッズをメッカの店で販売する。

 一般的にイスラム教徒は、セックスに対して積極的とは見られていない。多くの人は、イスラム教徒の女性が結婚生活で性的に抑圧されていると考えている。しかしアウラーは、こうしたネガティブな固定概念を変えたいという。

「ブルカを被って台所にいるという女性のイメージは、真実の姿ではない」と、アウラーは話している。「イスラム教は成人女性にたくさんの愛と尊敬を持っている。我々の店は主に女性客を念頭に置いて、セックスに関する情報を提供したり、よくある質問に答えたりしている」

 モロッコ出身のアウラーは、サウジアラビアでイスラム聖職者に相談した上で、「夫婦の性生活の向上」につながるハラールのアダルトグッズの販売許可を受けたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中