最新記事
格差超リッチ層の富の独占が止まらない!
世界の上位1%の最富裕層が世界の富の半分以上を保有し、上位20%がほぼすべてを保有する
35億人分に相当 ビル・ゲイツなど最富裕層80人の資産は膨れ上がる一方 Tim Ireland-Pool-Reuters
イギリスを拠点とする国際慈善団体オックスファムが、昨年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)直前に発表した衝撃的な数字を覚えているだろうか。貧富の差が拡大するなか、世界で最も豊かな85人の資産総額が、世界で最も貧しい35億人(世界人口の半分)に相当するまでになったという報告だ。
あれからちょうど1年。状況はさらに悪化している。金持ちはよりリッチに、貧しい人々はより貧しくなった結果、今や35億人分に相当する資産をわずか80人の最富裕層が握っている。
フォーブス誌の億万長者リストに名を連ねる彼らは、以前にも増して早いスピードで富を増やしていると、今週発表されたオックスファムの報告書は指摘している。彼らの素顔を簡単に紹介すると......。
■80人のうち35人がアメリカ国民で、14年の彼らの資産総額は9410億ドル。
■80人のうち70人が男性。
■80人のうち68人が50歳以上。
■80人のうち14人は小売業で財をなした。
2010年に1兆3000億ドルだった彼らの純資産は、14年には1兆9000億ドルに膨れ上がった。つまり、4年間で6000億ドル増えたわけだ。一方、下層の35億人の資産総額は一段と目減り。この流れが続けば、16年までに1%の超富裕層が、世界の富の50%以上を独占することになるだろうと、オックスファムは予想している。
今でもそうじゃないかって? 厳密にいえば、現時点で1%の超富裕層が保有するのは世界の富の48%。残りの52%の大半は、上位20%の富裕層が独占している。
つまり、それ以外の80%の人々は世界の富の5・5%という小さなパイを奪い合っていることになる。1日2ドル以下で暮らす人々も数十億人に上る。
「圧倒的な貧富の差が存在している」と、オックスファム幹部は声明で述べている。「一部の超富裕層とそれ以外の差が急速に広がっている」
格差問題の解消に向けて、中国やアメリカは税制改革を検討しているが、大企業からの強い反発が予想され、一筋縄ではいきそうにない。
From GlobalPost.com特約