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書店無料配送を禁じるフランスにアマゾンが一矢
次々と革新を生むアマゾンの前にフランスが立ちはだかった理由
文化摩擦 書店好きのフランス人にとってアマゾンは敵(アマゾンのアリゾナ州フェニックスの配送センター) Ralph Freso-Reuters
アマゾン・ドットコムが、フランスに挑戦状を突き付けた。発端は、フランス議会で先月、書籍の無料配送を禁じる法案が可決されたこと。アマゾンや大規模書店チェーンなどからフランス国内の小規模書店を保護することが目的だ。従来の法に従い、割引率の上限も5%と定められている。これに対しアマゾンは、送料をタダ同然の1ユーロセント(約1円)にする人を食った対抗措置を発表した。
アマゾンの動きは、議員らをいら立たせそうだ。フィリペティ文化・通信相は以前からアマゾンを名指しして非難。「ひとたび市場を独占し、フランスの書店ネットワークを破壊したら、彼らは価格を引き上げるだろう」と、昨年発言している。
フランスでは書店は手厚く保護され、店舗数もイギリスの1000に比べて3500と多い。そのうち700ほどがチェーンなどに属さない独立系だ。
一方アマゾンは、アメリカで無人飛行機の試験飛行に関する規制免除を当局に申請している。配送サービス「プライムエア」を迅速化し、注文後30分以内の配達を可能にするため、無人機での配送を計画しているという。
アマゾンのあくなき攻めの姿勢は、各国共通のようだ。
[2014年7月29日号掲載]