あなたを中毒にする外国語学習アプリ
ゲーム感覚で楽しく学べて利用者が1日に10万人増えている人気アプリ「デュオリンゴ」の秘密
モバイル学習 面白いのに無料で広告もなし。その仕掛けは? Mattjeacock-Istock Vectors/Getty Images
アップルが発表した「2013年最優秀iPhoneアプリ」は、外国語学習サービスの「Duolingo - デュオリンゴ」だった。以来、筆者の周りでは、ドイツ語やフランス語の勉強を始めた人が明らかに増えている。
そう言う私も、デュオリンゴでスペイン語を勉強し始めた。調子はどうかって? 「エクセレンテ、ミス・アミーゴス!(最高だよ、みんな!)」
今のところデュオリンゴには、英語が母語の人向けのスペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語のコースのほか、これらの言語とオランダ語、ロシア語、ハンガリー語、トルコ語を母語とする人向けの英語コースがある。今後さらに増える予定だ。
このアプリには、位置情報に基づくSNSのフォースクエアや画像共有アプリのインスタグラム、あるいは人気のリアリティー番組『バチェラー』と大きな共通点がある。成功のカギが、ゲーム仕立てで興味をかき立てる「ゲーミフィケーション」にあることだ。これらはどれも、気軽な「競争」の要素を含んでいる。
人間がゲーム好きであることを、デュオリンゴはよく分かっている。外国語の習得には反復練習が必要なことも分かっている。だからデュオリンゴは語学の勉強を、ちょっとしたエンターテインメントに変えた。ビジュアルや動画を駆使して、1つのレッスンを終えるとファンファーレを響かせて祝ってくれる。
それぞれのレッスンは面倒がなくて楽しく、早く次に進みたいと思わせる。スペイン語の接続詞と前置詞に夢中になって時がたつのを忘れるなんて、誰が思っただろう。
だがデュオリンゴがもっとすごいのは、完全に無料だということ。共同創設者のルイス・フォン・アン(34)によれば、今後もずっと無料だという。
フォン・アンがデュオリンゴの利用者に想定しているのは、イタリア語に磨きをかけたいニューヨークのエリート層よりも、生活レベルの向上のために外国語を勉強したい中南米の人々だ。
「外国語を勉強したい人の大多数は、良い仕事に就くために英語を学びたいと思っている」と、フォン・アンは言う。「でも、語学の勉強には金が掛かる」
そう語る彼はグアテマラ育ちだが、高校までの間に英語教育を受け、今は米カーネギー・メロン大学の教授だ。