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テクノロジークロームキャストでケーブルTV断ち?
テレビ端子に差し込むだけでネット動画がテレビで見られる35ドルのケーブル・キラーが登場
こんなに簡単 これをテレビに差し込むだけでスマホのネット画像をテレビに飛ばせる Beck Diefenbach-Reuters
筆者は「ケーブル断ち」をしている。つまり、ケーブルテレビ(CATV)に加入していないということだ。
今は、テレビ番組の再放送ならいつでも好きなときにネットで見られる時代。それなのにCATVに高い加入料を払い続けるのはばかばかしいと気付いたからだ。そこでタイム・ワーナー・ケーブルに電話して解約した。ケーブル中毒を断つと決めたのだ。
ネット配信されているテレビ番組を見るために、便利なアプリや機器を探し求めた。最終的には、大型プロジェクターとサラウンド、それにネットフリックスや「HBO GO」などの定番オンライン動画配信サービス、それらをストリーミングするのに最適なプレーヤー「Roku」を組み合わせたホームシアターが出来上がった。
これにはとても満足だ。だがとても重要な何かが欠けていた。もはや私たちの生活になくてはならないものが。YouTubeだ。
あれこれ試したが、YouTube動画をテレビ画面にストリーミングする方法はどうしても見つからなかった。Rokuにも公式アプリはなく、非公式のアプリではYouTubeのほうから再生を拒絶される。
だが、YouTubeを06年に買収したグーグルも、実はこの問題に取り組んでいたことが分かった。7月下旬の記者会見で、驚きの新製品「クロームキャスト」を発表したのだ。
高解像度テレビのHDMI端子に差し込むだけで、パソコンやスマートフォンで見ているネット映像をテレビ画面にストリーミングすることができる。もちろん、YouTubeの動画もだ。
数分で売り切れる人気
価格もたった35ドルで、「グーグル奇跡のデバイス」「テレビの未来」「アップルTVキラー」と絶賛された。
グーグルのオンラインショップでは数分で売り切れてしまったが、幸運にも私はアマゾン・ドットコムで1つ手に入れることができた。クロームキャストの強みはシンプルさだ。商品の箱にも書いてあるように「オンライン動画をテレビで見る最も簡単な方法」だ。
確かにセットアップも簡単だった。YouTubeからの記念すべき初ストリーミングには、好きなバンドのライブ映像を選んだ。まるで魔法のようにうまくいった。画質はそこそこだが、音はきれいだった。
もちろん問題もある。クロームブラウザのタブに表示されている動画をテレビ画面に飛ばす「キャスト・ア・タブ」という機能を使おうとすると、解像度が下がってしまって何の画像か分からなくなってしまう。ただし、まだベータ版なので次のバージョンに期待したい。
今の段階でクロームキャストに対応しているのは、YouTubeとネットフリックス、グーグル・プレイという3つの主要な動画サイトだけだ。だが将来性に期待して、次々に新しいメディア企業が手を挙げている。
クロームキャストがわが家のRokuに代わることはないだろう。Rokuは本当に優れものでとても手放せるものではない。それでもちょっとYouTube動画を壁に映してみたいだけ、という中継ぎ的な役割は果たしてくれるかもしれない。
それにたった35ドルでケーブル断ちができるのなら、使ってみる価値はある。RokuやアップルTVのようなストリーミング専用プレーヤーを持っていないならなおさらだ。持っていたとしても、無尽蔵のYouTube動画をテレビ画面で見られる価値は大きい。
[2013年8月20日号掲載]