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中東サウジの王子、長者番付に抗議の怪
「私はもっと金持ちだ」──フォーブス誌に噛みついたサウジの王子は、番付上位に入るため資産価値の操作までしていた?
珍しい苦情 長者番付の上位に入ることにこだわっているらしいワリード王子 Fahad Shadeed-Reuters
私はもっと金持ちだ──サウジアラビアのワリード・ビン・タラール王子が珍しい苦情を申し立てている。
米フォーブ誌が最近発表した13年版の世界長者番付で26位(200億ドル)とされたことに対して少な過ぎると主張と文句を付けたのだ。
英BBCによると、サウジアラビア王家の一員で投資事業を行うキングダム・ホールディングの創業者でありCEOのワリードは、自分が保有する資産の価値は296億ドルで、長者番付では10位になるのが正しいと主張している。
英ガーディアン紙によると、ワリードはサウジアラビアとアメリカの関係にも傷をつけたとフォーブス誌を非難し、今後一切の関係を断つと激怒しているという。
自分の資産を過大評価
一方のフォーブス誌は資産価値の評価手法は確かであるとして、ワリードが主張する296億ドルについては、はっきりと「受け入れられない」との立場。
フォーブス誌は、ワリードは同誌の長者番付で上位を保つことにとりわけこだわっており、自分の資産を過大に見積もっているとしている。
フォーブス誌の編集者であるケリー・ドーランは「王子の会社であるキングダム・ホールディングの資産を含めて彼の資産の価値は浮き沈みが激しい。資産が増えたり減ったりするのは事業の結果というよりも、フォーブス誌の長者番付を意識して調整した結果ではないかと思えるほどだ」と言っている。
一方のキングダム・ホールディングの財務担当者は「フォーブス誌とは何年にもわたって率直に話をする関係で、彼らの(資産価値の)評価手法には修正が必要だと何度も指摘してきた」と英ガーディアン紙にコメントした。
「こちらが何年はたらきかけてもフォーブス誌は聞く耳を持たなかった。だから彼らには評価手法を改善させる意欲がないと我々は判断し、これ以上フォーブス誌と関係を持たないことを決めた」
ところで13年版の長者番付で一番になったのは誰か?
1位はメキシコの通信・メディア王として有名なカルロス・スリムで資産価値は驚きの730億ドルだった。2位にはマイクロソフト社の会長で慈善家のビル・ゲイツが670億ドルで続いた。
From GlobalPost.com特約