中国金融が抱える時限爆弾
だが銀行は表向きは銀行間取引を装って、キャッシュフローが悪化している不動産開発業者に資金を回している。それは銀行自身の生き残りのためでもある。巨額の貸し付けをしたのに、事実上返済を滞納している不動産開発業者に資金を回さなければ、銀行は不良債権として損失勘定しなければならなくなる。
こうした融資は、バランスシート上は他の金融機関への貸出金として勘定されている。最近のウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、現在、中国の銀行間融資は総貸付残高の43%を占める。09年末と比べると70%の伸びだ。
困ったことに、こうした巨大なリスクは中国の銀行の帳簿には一切反映されていない。最近の業績発表で、大手国有銀行はそろって堅調な収益と高い自己資本比率、そしてわずかな不良債権を報告した。銀行業界全体が抱える不良債権は総貸付残高のわずか1%とされている。
果たして私たちの目がおかしいのか、それとも中国の銀行が時限爆弾を隠そうとしているのか。真実はどちらか1つだ。
From the-diplomat.com
[2012年9月26日号掲載]