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格差強欲な富裕層に豪財務相がキレた
もてる資金力と政治力を総動員して金持ちほど税金を避けようとする構図がこの国にも
義憤 「0.01%の富裕層」に牙をむいたスワン財務相 Daniel Munoz-Reuters
反格差の議論が世界中に広まるなか、オーストラリアのスワン副首相兼財務相は先日、雑誌への寄稿記事で同国の一部の大富豪を痛烈に批判した。
オーストラリアでは7月から資源関連企業を対象とした新たな鉱物税が導入されるが、大物実業家たちは潤沢な資金力を活かして、精力的にロビー活動を展開。結局、選挙への影響を恐れた労働党政権は、この鉱物税に関する法律を骨抜きにした。
これに激怒したスワンは、「社会の0.01%」でしかない富裕層の影響力は「わが国の政治に伝染し、経済に溶け出していく毒」だと批判。既得権益が「この国の平等性をむしばみ、民主主義を脅かしている」と厳しく非難した。
これに対して保守派は、スワンが階級闘争をあおっていると反撃。さらに主な起業家たちは一斉にスワンを非難し、国は鉱業界などの投資家から恩恵を受けてきたはずだ、と主張した。
だがスワンは、彼らが自分たちのビジネスを超えた政治の領域に対して「過度の権限を行使しようとしている」ことが問題だとあらためて主張。「慈善事業に多額の寄付をしている」という実業家の声も、「納税の代わりにはならない」と一蹴した。
[2012年3月21日号掲載]