最新記事

ネット

ピンナップSNS「ピンタレスト」が大人気

ネットを見ていて気に入った写真をクリップしておくだけのシンプルさが大ウケ

2012年4月4日(水)13時24分
ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)

整理も簡単 「作ってみたい料理」や「旅行て行きたい場所」など自由自在

 SNSとテレビの大きな違いは? テレビはソファに座って画面を眺めるだけだが、SNSのユーザーはコンテンツの作り手になれる。つまりフェイスブックやツイッターやグーグルプラスでは、誰でもエンターテイナーに変身できる。

 実際、最近登場したサイトを見ているとテレビ番組を見ているような気分になる。こうしたサイトを設計するのは大してカネが掛からない。その代わり大半は商売にならなくて苦労する。だが、中には爆発的な人気を集めるサイトもある。
 
 いい例が、10年にスタートした「ピンタレスト」だろう。昨年7月の訪問者数100万人に対して、今年1月は1200万人、2月は2000万人と、人気が急上昇している。いったいどんなSNSなのか。

 基本的なアイデアは、ネットサーフィンをしているうちに気に入った写真があったらクリップしておこう、というシンプルなもの。パソコンのブラウザに「ピン・イット(クリップしておく)」というボタンをインストールして、面白い写真を見掛けたときにクリックすれば、ピンタレストの自分のページにクリップできる。

 クリップしておく場所は「ピンボード」と呼ばれ、「作ってみたい料理」とか「次の旅行で行きたい場所」のようにテーマ別に素材を整理できる。動画やテキストでもいい。他人のピンボードを見るのも楽しいから、一度アクセスするとあっという間に時間が過ぎてしまう。

 実際、今年1月に平均的なユーザーがピンタレストで費やした時間は1時間29分と、SNSの中でもトップクラスだ。「一時的なブームじゃない」と、調査会社コムスコアのアナリスト、アンドルー・リップスマンは言う。「ユーザーはとてつもなく長い時間を費やしている」

 ピンタレストの収入源は、ユーザーが通販サイトの写真をピンボードに貼り付け、他のユーザーがその写真を経由してその通販サイトで買い物をしたときに入るキックバック。ビジネスとしてはやや頼りない。

 だがピンタレストに夢中なのは特に女性(ユーザーの9割以上が女性ともいわれる)だ。そして女性はショッピングが大好き。多くのユーザーは既にピンタレストをショッピングツールとして利用しているともいわれる。今後の業績拡大にも期待が持てそうだ。

[2012年3月14日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中