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ネットピンナップSNS「ピンタレスト」が大人気
ネットを見ていて気に入った写真をクリップしておくだけのシンプルさが大ウケ
整理も簡単 「作ってみたい料理」や「旅行て行きたい場所」など自由自在
SNSとテレビの大きな違いは? テレビはソファに座って画面を眺めるだけだが、SNSのユーザーはコンテンツの作り手になれる。つまりフェイスブックやツイッターやグーグルプラスでは、誰でもエンターテイナーに変身できる。
実際、最近登場したサイトを見ているとテレビ番組を見ているような気分になる。こうしたサイトを設計するのは大してカネが掛からない。その代わり大半は商売にならなくて苦労する。だが、中には爆発的な人気を集めるサイトもある。
いい例が、10年にスタートした「ピンタレスト」だろう。昨年7月の訪問者数100万人に対して、今年1月は1200万人、2月は2000万人と、人気が急上昇している。いったいどんなSNSなのか。
基本的なアイデアは、ネットサーフィンをしているうちに気に入った写真があったらクリップしておこう、というシンプルなもの。パソコンのブラウザに「ピン・イット(クリップしておく)」というボタンをインストールして、面白い写真を見掛けたときにクリックすれば、ピンタレストの自分のページにクリップできる。
クリップしておく場所は「ピンボード」と呼ばれ、「作ってみたい料理」とか「次の旅行で行きたい場所」のようにテーマ別に素材を整理できる。動画やテキストでもいい。他人のピンボードを見るのも楽しいから、一度アクセスするとあっという間に時間が過ぎてしまう。
実際、今年1月に平均的なユーザーがピンタレストで費やした時間は1時間29分と、SNSの中でもトップクラスだ。「一時的なブームじゃない」と、調査会社コムスコアのアナリスト、アンドルー・リップスマンは言う。「ユーザーはとてつもなく長い時間を費やしている」
ピンタレストの収入源は、ユーザーが通販サイトの写真をピンボードに貼り付け、他のユーザーがその写真を経由してその通販サイトで買い物をしたときに入るキックバック。ビジネスとしてはやや頼りない。
だがピンタレストに夢中なのは特に女性(ユーザーの9割以上が女性ともいわれる)だ。そして女性はショッピングが大好き。多くのユーザーは既にピンタレストをショッピングツールとして利用しているともいわれる。今後の業績拡大にも期待が持てそうだ。
[2012年3月14日号掲載]