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対中ビジネスアップルCEOが初訪中した理由
ジョブズもしなかった中国公式訪問を敢行した目的は何なのか、様々な憶測が飛び交っている
「トップ会談」 クックは中国当局者と何を話したかに世界が注目している Robert Galbraith-Reuters
アップルのティム・クックCEOが、中国を正式に訪問した。先代のスティーブ・ジョブズはやらなかったことだ。
中国は、アップルにとってどれほど重要な存在なのか。その度合を示す例をいくつか挙げてみよう――。
■アップルにとって、中国はアメリカに次ぐ世界第2の市場である。
■昨年、中国ではアップルのiPadが400万台売れ、iPhone4についても「莫大な」需要があるという。
■中国国内にアップル直営店は5店舗あり(北京に2店舗、上海に2店舗、香港に1店舗)、いずれも好調。
■アップルのサプライチェーンの多くが中国にある。それらの工場で働く人々の労働環境について、同社には厳しい監視の目を向けられている。
■アップルは台湾系企業プロビュー・インターナショナル・ホールディングスの深◯部門から、中国国内におけるiPadの商標権侵害で訴えられている。
エレクトロニクス製品の市場が世界で最も急速に成長しているのも中国だ。アップルを世界一の人気と世界最大の株式時価総額を誇る企業に押し上げたiPhoneやiPadの市場だ。
クックの中国訪問の大きな目的は、中国政府の高官たちと会うこと。3月26日には、クックは北京市長の郭金龍(クオ・チンロン)と会談した。
ブルームバーグによれば、郭はクックに対し、アップルが「さらなる発展を遂げるために、(中国との)協力関係をより深める」ことを望むと語ったという。アップルは中国への投資をさらに拡大させる姿勢を見せているが、広報担当者(北京在勤)はその詳細は明らかにしなかった。
中国にとってもアップルは重要な存在だ。アップルは多くの中国企業と生産委託契約を結んでおり、それによって雇用の創出や中国経済の成長を促している。ハイテク好きの中国人消費者もアップル製品に夢中だ。
アップルCEOがわざわざ訪中した理由は、いずれ新聞の見出しを飾ることになるかもしれない。何であれ、業界にも市場にも大きな影響を与えるだろう。