最新記事

中国

共産党御用達iPad「レッドPad」の中身

中国で遂に発売された共産党幹部向けタブレット端末には党員専用アプリがたくさん入ってお得?

2012年1月20日(金)15時07分
ジェシカ・フェイーラン

威厳を重視? 革のケース付きで高級さをアピール Evolife.cn/Screengrab

 中国で共産党員向けの「iPad」、その名も「RedPad Number One(レッドPad・ナンバーワン)」が登場した。

 中国メーカー「紅派一号」が開発したこのタブレット端末は、地元では「紅派(ホンパイ)」の名で知られ、「共産党幹部や政府職員らがネットを使いこなすのを助ける新しいモバイルプラットフォーム」と宣伝されている。

 アンドロイド3.2搭載で、ディスプレイは9.7インチ。共産党員向けアプリ各種をプレインストールした状態で発売される。価格は9999元(約12万円)と、中国でのiPad販売価格の2倍もする。
 
 レッドPadの共産党員向けアプリには、例えば記者証が有効かどうかをチェックする機能や、国営メディアの記事やブログを読む機能が含まれる。また、党上層部からの指示が毎日送られて来るアプリや、ネット上で国民が政府についてどんなことを言っているかをストリーミングするアプリもある。

 こうした特別なアプリがインストールされているためにレッドPadの値段は高くなったと、紅派一号の広報担当リウ・シエンリは南方都市報に語っている。「市場経済では、共産主義の製品でも市場価格を払ってもらわないとならない」

 リウによれば、人々は高額な製品ほど物もいいと思うため、レッドPadの値段も意図的に高く設定されていると言う。
 
 しかし、その値段が中国ネチズンの間で論議を呼んでいる。公務員は税金を使ってこんな高額商品を買うのかという非難の声だ。ウォールストリートジャーナル紙は、テレビショッピングを真似た皮肉たっぷりの書き込みもあると紹介した。

「これは党幹部の皆様のためだけに、特別に作られた商品です。これがあれば仕事や会議の途中で眠くなることもありません。引き締まった体も手に入ります。なのに、お値段はたったの9999元! どうぞどうぞ、私たち国民のカネを使って購入してください」

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、何が起きているのか?...伝えておきたい2つのこと
  • 4
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 5
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 6
    映画界に「究極のシナモンロール男」現る...お疲れモ…
  • 7
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「汚い観光地」はどこ?
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 7
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 8
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 9
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 10
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中