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格差アメリカ貧困層、急拡大の新事実
わずか10年間で3倍以上に増加し、都市部だけでなく郊外でも拡大が止まらない
転落の町 ミシガン州デトロイトの荒廃した地域にはホームレスも多い。背後に見えるのはゼネラル・モーターズ(GM)本社 Rebecca Cook-Reuters
アメリカ全土で貧困層が記録的な数に膨れ上がっている――米ブルッキングス研究所の最新調査でそんな事実が明らかになった。
アメリカの貧困層の数は90年代には1230万人だったが、10年で4620万人に増加。低所得者層が集まる「貧困地区」の人口は同期間に33%増えたという。
今回の調査は2000年~09年の国勢調査を分析したもので、「貧困地区」は4人家族で年収が2万2300ドルを下回る住民が40%以上を占める地域と定義。アメリカの貧困層のおよそ10%がこの貧困地区に住んでいると推定される。
都市部の倍以上の速さで郊外に拡大
「今のままでは、貧困地区の住民は公共教育の質の低下や失業問題、高い犯罪率など数多くの問題に直面する」と、ブルッキングス研究所のアラン・ベルーブは語る。
貧困地区が最も急拡大したのはデトロイト、トリード、ヤングスタウンなど中西部の都市圏。昔から都市部では貧困地区が他の地域よりもはるかに多かった。しかし近年、貧困地区の人口が急増しているのはむしろ郊外だと、ベルーブは語る。
今回の調査によれば、郊外の貧困地区は過去10年間で都市部の倍以上のスピードで拡大した。住民の中ではアフリカ系アメリカ人が最も多く、45%近くを占めている。