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世界経済歴史が語るギリシャ債務危機の波紋
遠い昔、史上初のデフォルトを起こしたのはあの国。歴史は教える。「デフォルトは繰り返し、そして連鎖する」
お先真っ暗 パルテノン神殿にたちこめる暗雲は近く訪れる未来を暗示しているのか Yiorgos Karahalis-Reuters
簡単なクイズから始めてみよう。
問題:世界で初めて債務不履行(デフォルト)に陥った国はどこで、それはいつだったか?
a)古代ローマ(紀元後204年)
b)プロイセン(1683年)
c)ギリシャ(紀元前377年)
d)中国(1929年)
ヒントを出そう。
「歴史は繰り返される」
「フライドポテトをパンにはさんで食べる国だ」
「パルテノン神殿といえば......」
もうおわかりだろう。答えはc)。古代ギリシャまでさかのぼる。
オンラインニュース「グローバルポスト」の記者バリー・ニールドはヨーロッパの債務危機についてこう書いている。
確かに、ギリシャ経済の歴史には汚点がある。紀元前377年に世界初のデフォルトに陥り、以来2388年間、デフォルトの繰り返しだ。
ギリシャは(現在も)デフォルト寸前であり、世界経済の足を引っ張っているが、こうした財政破綻劇はギリシャに限ったことではない。
バリーが指摘するように、財政赤字に苦しんできたのはギリシャだけではない。以下に挙げるのは、過去に同様の運命(デフォルト)をたどった国の一部だ。
・イギリス(1600年以前に3回)
・フランス(1558〜1788年の間に8回)
・中国(1929年、1939年)
・ナイジェリア(1960年以降に5回)
・ロシア(1998年)
・アルゼンチン(2001年)
だが間違ってはいけない。何度も繰り返しているのは、デフォルトが実は大したものではないからではない。
「(過去から)学んだ最初の教訓は、どこかの国がデフォルトに陥れば、同時多発的に他国でもデフォルトが起きる傾向があることだ」と、UBSの新興市場アナリスト、コスタ・バイエナスは言う。「1国だけで終わった試しがないことは、歴史が証明している。債務危機は連鎖的に拡大する傾向がある。多くの国が関係しているために、物事が悪い方向に傾くと、関係国すべてに影響を及ぼす」
では現在のギリシャがイギリス、フランス、ロシア......そして過去のギリシャと同じ道を転げ落ちたとしたら、最も影響を受ける国はどこなのか?
ヨーロッパだけではすまない。多くに国に波及するだろう。
近く訪れるであろう真っ暗な未来に備え、オンラインニュース「ビジネス・インサイダー」がデフォルト率の高い国のランキングを作成した。
もちろんトップはギリシャだ。だがエクアドル、ベネズエラ、パキスタンも猛追している。
やはり歴史が語るように、「世界同時多発デフォルト」が起きるのかもしれない。