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エネルギー中国に敗れた米ソーラー業界
鳴り物入りで始まったクリーンエネルギー・プログラムが、太陽光電池メーカーの相次ぐ倒産で窮地に
期待はずれ ソリンドラ社を訪れたオバマ。右は当時のシュワルツネッガーカリフォルニア州知事(2010年5月) Ho New-Reuters
アメリカ企業が世界で競争できる事業バラク・オバマ米大統領が期待をかけたグリーン・テクノロジーのベンチャー企業が、8月31日に突然閉鎖した。カリフォルニア州フレモントの太陽光電池パネルメーカー、ソリンドラ社は、世界的な景気低迷と、海外のライバルとの競争に敗れたことを理由に、破産申請することを発表した。ソリンドラ社の従業員1100人は全員、解雇手当もないまま直ちに解雇された。
米CBSニュースによれば、同社のCEOブライアン・ハリソンは「最近の政策変更やあいまいさのおかげで、ソーラーパネルは短期的な供給過剰と価格低下に陥った」と語っている。
ソリンドラ社は、05年に発足したクリーンエネルギー・プログラムの下、米エネルギー省から融資保証を受けた初めての企業。09年に5億3500万ドルの融資保証を受け、ベンチャー投資資金からも11億ドルを確保していた。
シリコンバレーのサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙はこう書いている。
ソリンドラ社はベンチャー・キャピタルや政府の資金を得ていたが、経営は苦しかった。同社が追い詰められた要因の1つには、政府からの莫大な補助金を後ろ盾にした低コストの中国メーカーが巨大な工場を建設していることがある。これによって太陽光パネルの値段は急激に下がり、パネル製造工場の50%以上は中国に移った。
専門家らはまた、ソリンドラ社は生産コスト抑制に失敗したとも指摘した。産業界の観測筋は、同社のソーラーチューブはアメリカの同業他社製品の水準よりも2〜3倍高かった。
2010年5月、オバマはフレモントにある同社の工場を訪れて演説し、「ソリンドラ社のような企業が、今以上に明るく豊かな未来への道を開く」と語った。
「私たちの支援を受けたすべての革新的な企業が成功するわけではないと分かっている」と、エネルギー省の広報担当者ダン・レイスティコウは語っている。「だがアメリカが世界経済のリーダーとなり得る鍵となる、形勢を逆転するような技術には投資せざるを得ない」
先月破産を発表したアメリカの太陽光電池メーカーは、ソリンドラ社で3社目だ。エバーグリーン・ソーラーは2週間前に破産申請し、その4日後にはインテル社から独立したスペクトラワット社が続いた。