NYタイムズを半額で購読する法
いくら紙の新聞に愛着があるといっても法外な定期購読料を払う道理はない。読者はもっと利口になるべきだ
本音がうっかり NYタイムズの編集幹部が定価通りの購読料を払っている読者をバカ呼ばわりして問題に Lucas Jackson-Reuters
ニューヨーク・タイムズ紙の新商品・戦略担当のジェラルド・マルゾラッティ編集局次長が11月10日、小さな過ちを犯した。デジタルメディアに関する公開討論会でうっかり、同紙の「80万人を超える定期購読者は、年間700ドル以上の購読料を支払っている」が「それを分かっていないらしい」と口走ってしまったのだ。
マルゾラッティによれば、景気低迷の間も同紙は新聞の配達部数が5%伸び、キャンセルした人はわずか0・01%に止まっている。「これは、購読者が自分がいくら払っているか分かっていないという事実に大いに関係する」と、彼は語った。「クレジットカード(を使った自動購読更新)のおかげだ」
これではニューヨーク・タイムズの編集幹部が自分たちの読者は利口ではないと言ったも同然だと、ブログは大騒ぎになっている。だがマルゾラッティが言うことはもっともだ。700ドルあれば64ギガバイトのiPadが買える。それでWi-Fiに接続すれば、同紙の全ページを無料で読める。さらに29ドル上乗せすれば、Wi-Fiと3Gでの接続が可能な32ギガバイトのiPadを手に入れることができる。ニューヨーク・タイムズのアプリは来年初めから有料になるが、購読料が700ドルになることは考えられない。それにiPadのスクリーンは同紙のウエブサイトを読むのに十分な大きさだから、iPad専用アプリはどのみち必要ないかもしれない。
値引きを実現する交渉マニュアル
だが、たとえあなたが紙の新聞を読む習慣を捨てられないとしても、ニューヨーク・タイムズの購読に700ドル(正確には、私が4月に平日と日曜版の自宅配達に支払った769.60ドル)を払う必要はない。マルゾラッティは触れなかったが、769.60ドルの請求書を384.80ドルに下げるのは実際のところかなり簡単だ。ここに方法を紹介しよう。
1)まず1-800-698-4637に電話する(アメリカのみ)。音声ガイダンスが流れる。
2)4を押す。別の音声ガイダンスが流れる。
3)2を押す。これで担当者につながる。
4)「定期購読を止めたい」と言う。
5)担当者は理由を聞くので、「金がなくて支払いを続けられない」と言う。プライドが許さないなら、「高すぎるから」と言う。
6)担当者はマニュアル通りに次のようなことを言うだろう。「●●年あるいは××カ月もの間愛読してくれたあなたにやめてもらいたくない」。私の場合は、05年から購読していると言われたが、実際には1976年からだ。だがそこまで古い記録は入力されていないらしい。
7)担当者は割引を提案してくる。現在なら、26週間の間50%オフの半額だ。「何もかも今まで通りです」と担当者は保証し、「やめてもらいたくない」と再び言う。
8)「26週間の後はどうなるのか」と聞く。
9)担当者は「通常料金に戻る」と答え(マルゾラッティの言う「忠実な読者」へ戻るわけだ)、「ただその時期になったらまた電話をくれれば何かできるかもしれない」と言う。翻訳すれば、半額期間が終わる前に電話すれば、また何らかの割引を提供してくれるというわけだ。