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ナポリ「ヨーロッパのゴミ」と化すイタリア
ゴミ暴動 ナポリ郊外で暴徒に放火されたゴミ運搬車(10月25日) Alessandro Bianchi-Reuters
かつて暴動に加わる若者を「社会のゴミ」呼ばわりしたのはフランスのサルコジ大統領だが、イタリアのナポリでは10月下旬、本物のゴミのせいで暴動が起きた。
その発端は、ナポリ郊外で計画されている大規模ゴミ処分場の建設に住民が反対したこと。この地域に以前からある埋め立て場は未処理の有害なゴミであふれ、住民は悪臭と汚水に苦しめられてきた。
住民が9月下旬からゴミの搬入を妨害すると、街には放置された2400トンのゴミが積み上がった。暴徒化した数百人の住民はゴミの山でバリケードを築き、ゴミ運搬車に放火し、火炎瓶や投石で警官を襲った。
ナポリでは07年から08年にかけてゴミが大量に路上に放置され世界の注目を集めたが、実はナポリを含む南部カンパニア州ではこの年以上、マフィアが絡んだゴミトラブルが繰り返されてきた。EUは10月28日までに問題を解決しなければ制裁を科すとイタリアに警告した。
政府は処分場新設を一旦白紙に戻したが、住民は警戒を解いていない。根本的な対策を取らなければ、今度こそイタリアは「EUのゴミ」になりかねない。
*ナポリの深刻なゴミ汚染については、本日発売11月10日号で
[2010年11月10日号掲載]