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ハイテクiPadになりたくない新型キンドル
新型キンドルはカラー画面で音楽も映画も……ではないが、がっかりする必要はない
どこが期待はずれ? Wi-Fi接続のみのキンドルは139ドル。99ドルの世界はすぐそこかも Amazon.com-Reuters
アマゾンは7月28日、電子書籍端末「キンドル」の新型モデル2機種(8月27日発売)を発表した。新型キンドルは画面がカラーになり音楽や映画も楽しめる、つまりアップルのiPadのような商品になると期待していた人々を見事に裏切る内容だった。
しかし、「裏切られた」と思う人がいたら非常に残念だ。相変わらずの白黒画面で、本や新聞を読むためだけにしか使えないとはいえ、新型キンドルは非常に洗練度が上がっている。
現行型から価格を据え置いた189ドル(約1万6300円)の機種は、バッテリー駆動時間とデータ容量が従来型の2倍になった。1回の充電で最長1カ月(無線不使用)使用可能で、本3500冊分のデータを保存できる。Wi-Fi(無線LAN)接続機能が加わり、コントラストが向上して文字が読みやすくなったりと画面も改良されている。ページ送りも20%高速化した。
重さは現行の10オンス(約284グラム)から8.7オンス(約247グラム)へとわずかだが軽量化が進んだ。画面の大きさは変わらないが、キーボードのサイズを圧縮したため本体自体は小さくなった。本体の色も白のほか、アマゾンが「グラファイト(黒鉛)」と呼ぶ黒っぽいモデルもお目見えした。
99ドルという夢の価格が実現するか
さらに注目すべきなのは、従来の3G接続機能を省いてWi-Fiだけを搭載した機種を139ドル(約1万2000円)というお値打ち価格で発表したことだ。
こちらは3G搭載モデルと違っていつでもどこでも本をダウンロードできるわけではなく、Wi-Fi接続ポイントにいる必要がある。だが学生や、頻繁に旅行をしない人にとってはこれで十分だろう。アマゾンが、99ドルという夢の価格に向かう一歩を踏み出せたともいえる。99ドルが実現すれば販売急増の突破口になる、と専門家は見ている。
現在でもキンドルの売り上げは上々で、アマゾンで最も売れている商品だという。では、キンドルはiPadの強力なライバルとなるのか? いや、そんなことは期待しないほうがいい。アマゾンの広報担当者が言うように、アマゾンはタブレット型端末を作ろうとは思っていないのだから。