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米メディアW杯から始まる3Dテレビ時代
ネットで動画も見られる時代だが、大画面HDTVでしかも3Dのスポーツ生中継にならお金を払おう
カメラも3Dに アメフトの試合を3D映像に収めるESPNのカメラマン(09年9月) Scott Clarke-c©2009 ESPN, Inc. All rights reserved.
米CATV局ESPNは5日、6月のサッカー・ワールドカップからスポーツの試合の3D放送を開始すると発表した。他のCATV局もバカでなければ、大慌てで追随することだろう。
郵便から新聞まで、多くのメディアが急速にデジタル媒体に取って代わられてきたというのに、CATV局には次は自分たちの番という自覚が欠けているようだった。だが1980年以降に生まれた世代は、インターネット1つを使ってiTunesで1曲99セントの楽曲を買ったり、ネットフリックスの月9ドルのサービスで好きなだけ映画を見るのが当たり前。くだらないチャンネルばかりのCATV会社に月100ドルもの視聴料を払うなど、正気の沙汰ではない。
ではどうすれば、彼らに視聴料を払わせることができるのか。そこをESPNは考えた。私の場合、CATVにお金を払う唯一の理由はスポーツだ。たとえ解約しても、ドラマの『マッド・メン』やコメディー番組『30ロック』はiTunesや動画サイトHuluで見ることができる。その上、金をドブに捨てる必要もなくなっていいことづくめだ。だが、大画面のデジタルハイビジョン放送で見るスポーツの生中継だけは、まだインターネットでは代替できない。
ソニーも合弁で3D放送に参入
だからこそ、スポーツの試合を3D放送するESPNの戦略は重要な意味をもつ。ジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター』を3Dで見た人なら誰でも、3Dの映像体験には確かに騒ぐ価値があると認めるだろう。CATV局にとっては、もっともっと驚異的な映像を提供することこそがインターネットと競争する唯一の方法だ。私だって、ケーブル視聴料などできれば払わずに済ませたい。だが、アイスホッケーのアレキサンダー・オベチキンが氷を引き裂く瞬間を3Dで見たいという誘惑には勝てない。
その3D放送時代が、いよいよやってくる。6日には、CATV会社のディスカバリー・コミュニケーションズとソニー、映写システム開発のIMAXが共同で3D専門チャンネルを立ち上げると発表した。早ければ2010年末にも放送を始めるという。他の局もすぐ後に続くだろう。すべてをインターネットで済まされたくないのなら、もう他の選択肢はない。