コラム

インフラ投資で、防災と景気対策の一石二鳥......が日本では無理な理由

2019年12月05日(木)18時23分

近年多発している大規模災害が気候変動によるものだとすると、今後も同じ頻度で災害が発生する可能性が高く、防災のために既存インフラをよりスペックの高いものに更新しなければならない。過去に整備したインフラの多くが現役だった場合、その金額は天文学的な数字となるだろう。

昭和の時代、治水をはじめとする公共事業は最大の政治利権だったことから、新規建設が最優先され、一部では不必要なインフラまで造られた。将来発生する維持費や更新費についてもほとんど考慮されなかったことから、今となっては、野放図に建設されたインフラ全てを維持管理するのは困難な状況となっている。

ちなみに2033年には道路橋や河川管理施設の約6割が建設後50年以上経過することになり、大規模な更新か新規建設、または廃棄のいずれかを選択しなければならない。非常に言いにくいことだが、一部地域については、インフラを廃棄した上で住民の移転を促すなど、厳しい決断も必要となってくるだろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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