ニュース速報
ワールド

ガザ停戦巡りイスラエル側が新提案、ハマスは受け入れに否定的

2025年04月15日(火)07時44分

 4月14日、パレスチナ自治区ガザの停戦協議で仲介役を務めているエジプトはこのほど、イスラム組織ハマスに対してイスラエル側の新たな提案を示した。写真は破壊されたガザの病院。13日撮影(2025年 ロイター/Dawoud Abu Alkas)

Nidal al-Mughrabi Yomna Ehab Jaidaa Taha

[カイロ 14日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザの停戦協議で仲介役を務めているエジプトはこのほど、イスラム組織ハマスに対してイスラエル側の新たな提案を示した。エジプト国営テレビ局アル・カヘラが14日伝えた。

複数の関係者によると、仲介者は現在ハマスからの回答を待っている状態にある。

ハマスは声明で、提案を精査しているとし、「できるだけ早期に」回答する意向を示した。また、停戦合意は戦闘を終結させ、イスラエル軍の完全撤退を実現するものでなければならないとの要求を繰り返した。

ハマス幹部のサミ・アブ・ズフリ氏は先に、この新提案には少なくとも2つの受け入れ不能な項目があり、合意できそうにないと否定的な考えを明かした。

アブ・ズフリ氏はロイターに、イスラエルによる今回の提案では、同国が敵対姿勢を完全にやめると約束するというハマスの要求が満たされていないと説明。またイスラエルが交渉の次の段階でハマスの武装解除を求めている点にも、同意しかねると述べた。

同氏は「武器の引き渡しは絶対的に越えてはならない一線で、議論はおろか検討の対象にすらならない」と言い切った。

エジプト情報機関のトップはアル・カヘラに「ハマスは時間の価値をよく理解している。イスラエルの提案に速やかに回答するだろう」と述べた。

パレスチナとエジプトの関係者の話では、この日カイロで開かれたガザ停戦の枠組み復活とイスラエル人の人質解放に向けた話し合いは打開が見えないまま打ち切られたという。

アブ・ズフリ氏は「戦争終結とイスラエル軍撤退と引き換えに、人質を一括して引き渡す用意がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国新築住宅価格、3月は前月比横ばい 政策支援も需

ビジネス

カナダ3月物価が予想外の大幅鈍化、追加利下げ観測や

ワールド

インドの3月CPI、前年同月比3.34%上昇 5年

ビジネス

ホンダ、シビックHVの国内生産を米国に移管へ トラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中