日本の関税24%、働き掛け奏功せず 安倍元首相をトランプ氏回顧

トランプ米大統領は米国時間4月2日に発表した「相互関税」の対象に日本も含め、税率を24%にすると明らかにした。写真は同日、ホワイトハウスで関税に関する大統領令に署名するトランプ氏(2025年 ロイター/Leah Millis)
Nobuhiro Kubo Yoshifumi Takemoto
[東京 3日 ロイター] - トランプ米大統領は米国時間2日に発表した「相互関税」の対象に日本も含め、税率を24%にすると明らかにした。米国は日本にとって最大の輸出先。日本経済への影響は避けられず、石破茂政権はトランプ政権に日本を除外するよう働き掛けてきたが、奏功しないまま発表を迎えた。
トランプ大統領はホワイトハウスの演説で、日本が平均で実質46%の関税を課していると理由を説明。特にコメに言及し、米国産の輸入に700%の関税を課しているとした。
財務省の貿易統計によると、2024年の対米輸出は21兆2947億円で、日本の輸出全体の約2割を占めた。最大の品目は、相互関税と別に25%の関税導入が決まっている自動車の完成車で6兆0264億円。自動車部品が1兆2310億円、原動機が1兆0898億円と続く。
金融市場は株安と円高で反応し、日経平均は一時1600円超下落した。為替はドル/円が147円台まで下落し、約3週間ぶり安値を更新した。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、日本の国内総総生産(GDP)を0.59%押し下げると試算。自動車関税と合わせると、下押し効果は079%に拡大するとみる。木内氏は「想定より悪い最悪に近い数字」と話す。「日本としては安全保障面での米国との関係もあり、交渉カードがない」と語る。
トランプ大統領は親密な関係を築いた安倍晋三元首相とのやり取りを振り返り、「日米間の貿易が不均衡だ、何とかしなければならないと伝えた。彼は分かっていると答え、われわれは取引をまとめた。もっと良い取引になっていただろう」と語った。「素晴らしい人物だった。残念ながら暗殺によってわれわれから奪われてしまった」と述べた。
石破首相は2月にワシントンでトランプ大統領と会談した際、トヨタ自動車など日本企業による対米直投資や現地雇用の創出をアピールした。武藤容治経済産業相は3月中旬に訪米し、米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表らと会談したが、日本を適用除外にするという言質は取れなかった。
相互関税は、非関税障壁や通貨政策なども考慮して相手国と同じ水準まで米国への輸入税率を引き上げる措置。トランプ大統領は税率の最低ラインを10%とし、国・地域ごとに適用する税率に差をつけた。カンボジアは49%、中国は34%、台湾は32%、韓国は30%、欧州連合(EU)は20%、英国は10%などとした。
トランプ大統領は「完全な相互関税ではなく、親切な相互関税だ」と述べた。
一律10%は米国時間5日に、国・地域ごとに異なる税率は9日に発効する。それまでに日本が除外措置を勝ち取れるかが焦点となる。
米国は自動車にも25%の追加関税を課すことも決めており、日本時間3日午後に発効する。エコノミストらは、自動車関税だけで日本のGDPを0.2%程度下押しすると試算する。
(久保信博、竹本能文 取材協力:平田紀之、基太村真司 編集:石黒理絵、内田慎一、田中志保)