ロシア産原油の制裁解除、道のり長い=スイス石油4商社首脳

3月25日、スイス石油商社のビトル、マーキュリア、トラフィグラ、ガンバーの首脳はロシア産原油に対する制裁解除には時間を要し、アジア以外の市場への石油・ガス販売の回復は、短期的には緩やかにとどまる可能性が高いとの見方を示した。写真は中国武漢市で2012年3月撮影(2025年 ロイター)
Robert Harvey
[ローザンヌ 25日 ロイター] - スイス石油商社のビトル、マーキュリア、トラフィグラ、ガンバーの首脳は25日、ロシア産原油に対する制裁解除には時間を要し、アジア以外の市場への石油・ガス販売の回復は、短期的には緩やかにとどまる可能性が高いとの見方を示した。
4社は2022年のウクライナ侵攻以前、ロシア産原油を取引していた。首脳らはスイスで行われた業界会合で、ロシア産原油の取引に極めて慎重に対応していく姿勢を示した。
ビトルのラッセル・ハーディー最高経営責任者(CEO)は、欧州によるロシアの制裁緩和について「1年ないし2年かかるだろう」と指摘。「パイプラインの流れも変わるだろう。原油輸入を選択するところもあれば、そうしない国もあるかもしれない」と予想した。
トラフィグラのリチャード・ホルトムCEOは、米国が最初に制裁を解除する可能性が高く、欧州と英国は長期的に継続するとの見方を示した。
米政府は、ウクライナ侵攻停止を目指すトランプ大統領の取り組みの一環として、ロシアの制裁緩和に向けた計画策定に既に着手し始めている。
一方、欧州当局は先日、ロシアの制裁が緩和されても同国産原油の輸入を回避する意向を表明した。
ガンバーのトルビョルン・トルンクビストCEOは、ロシアが22年以降、独自の商品取引システム構築に尽力してきたと指摘。貿易業者や石油企業と長期契約を締結していた侵攻前の状況に戻ることを望まないかもしれないと述べた。
マーキュリアのマルコ・デュナンCEOは「制裁が解除された場合、われわれは価値をもたらすことができるかどうかを十分に検討していく」と語った。