24年の世界債務100兆ドル超え=OECD報告書

経済協力開発機構(OECD)は20日、2024年の政府と企業による国債や社債といった債務の残高が世界全体で100兆ドルを超えたとする報告書を発表した。(2025年 ロイター/Gary Cameron)
Yoruk Bahceli
[ロンドン 20日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は20日、2024年の政府と企業による国債や社債といった債務の残高が世界全体で100兆ドルを超えたとする報告書を発表した。高金利政策の影響もあり、OECD加盟国における利払い費の政府支出は国内総生産(GDP)の3.3%に達し、国防費を上回る水準になっているとした。
複数の中央銀行が利下げ局面にあるものの、借入コストは22年に利上げに転じる以前の水準と比べ、依然として高い。
ドル建て債券の利回りは、20年の約4%から24年には6%以上に上昇。よりリスクの高い国の債券は8%以上まで上昇し、こうした国は貯蓄率が低いことなどから国外からの資金に依存しているのが現状だ。
低利の債務が金利の高い債務に置き換わっていくことから、利払い費は上昇を続ける可能性が高い。OECDは「利払い費の増加と債務額の増加の組み合わせは、投資のニーズがかつてなく高まっているタイミングで、将来の借り入れ能力を制限するリスクがある」と指摘した。
OECD諸国の政府債務の半分以上と、新興国の政府債務の約3分の1の金利は依然として市場金利を下回っている。高格付け社債の3分の2近く、リスクが比較的高い社債の4分の3近くも同様の状況だ。
ただ、加盟国と新興国の国債の半分近くと、社債の約3分の1は、27年までに満期を迎える予定となっている。特に低所得諸国は、3年以内に債務の半分以上が満期を迎える予定で、借り換えを巡ってより大きなリスクに直面する見通しだ。
OECDの資本市場・金融機関部門の責任者は、政府や企業は借り入れが長期的な成長と生産性向上につながるものにする必要がある、と指摘した。