カナダ中銀、0.25%利下げ決定会合で据え置きも検討=総裁

3月12日、カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁(写真)はインタビューで、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて2.75%とすることを決めたこの日の会合で「2.75%への利下げだけでなく、3%に金利を据え置く選択肢についても議論した」と明らかにした。3月12日、オンタリオ州のオタワで撮影(2025年 ロイター/Blair Gable)
Promit Mukherjee Caroline Stauffer
[オタワ 12日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は12日のインタビューで、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて2.75%とすることを決めたこの日の会合で「2.75%への利下げだけでなく、3%に金利を据え置く選択肢についても議論した」と明らかにした。
トランプ米大統領がカナダからの輸入品に課した関税を背景に貿易の行方が不確実な中で、カナダ中銀はインフレ圧力と経済成長率の低下に懸念を示している。
マックレム氏は関税を巡る不確実性が少し和らぐまで待つのも選択肢だったとしながらも、内需が影響を受けてインフレ率が2%前後で推移しているため「最も適切な行動は政策金利を引き下げることだった」と打ち明けた。
マックレム氏は2025年第1・四半期の国内総生産(GDP)が年率換算で2%程度になるとの予想から大きく外れることはないものの、貿易戦争の顕著な影響が出るのは第2・四半期になるかもしれないとして「新しい予測はないが、短期的には1月に示した予測より弱くなると思う」と語った。
トランプ米政権は12日、全ての国からの鉄鋼・アルミニウムの輸入に25%の関税を課すと表明した。こうした関税はカナダでも企業の投資計画や個人消費のパターンに打撃を与え、今後数四半期にわたって経済成長を減速させ、失業者を増やし、インフレ率を急拡大させると予想されている。
マックレム総裁は「関税問題をインフレ問題に発展させるわけにはいかない」として、経済に深刻な衝撃が走った場合予定していなかった金融政策で介入することも否定しないと明らかにした。「米国が新たな貿易政策、新たな関税で同盟国を攻撃することを私は理解できない」とも言及した。
一方、米連邦準備理事会(FRB)が1月にウェブサイトから「多様性と包括性」の項目を削除したことに絡み、カナダ中銀は多様性の政策を放棄するつもりはないと表明。「多様な視点を持ち、カナダ人の多様性を反映した人材をカナダ銀行に迎えることがカナダ銀行にとって良いことだ」と述べた。