米CDC、ワクチンと自閉症の関連巡る調査を計画=関係筋

米疾病対策センター(CDC)は、ワクチン接種と自閉症との関連性について大規模な調査を計画している。2人の関係者がロイターに語った。米テキサス州ラボック市で行われたワクチン接種の様子を2月撮影(2025年 ロイター/Annie Rice)
Dan Levine Leah Douglas
[7日] - 米疾病対策センター(CDC)は、ワクチン接種と自閉症との関連性について大規模な調査を計画している。2人の関係者がロイターに語った。
ワクチンに長年懐疑的な見解を示してきたロバート・ケネディ・ジュニア米厚生長官がこの調査に関与しているのかや調査方法は不明。ただ、自閉症の原因は不明とされ、自閉症とワクチンや薬、あるいはそれらの成分との関連が厳密な調査で発見されたことはない。
CDCと厚生省からのコメントは得られていない。
ケネディ長官は、麻疹(はしか)、おたふくかぜ、風疹の3種(MMR)混合ワクチンの安全性に長い間疑問を投げかけてきた。
現在、テキサス州とニューメキシコ州で10年ぶりの規模ではしかが流行し、200人以上が感染し、2人が死亡している。背景には、予防接種が害になると誤解した保護者の下で子どもの予防接種率が低下していることがある。
ケネディ氏は先週の閣議では、テキサス州ではしかに感染した子どもが死亡したニュースを重視せず、流行はよくあることだとし、ワクチン接種の役割に言及しなかった。だが週末になって、ケネディ氏はFOXニュースに意見書を寄せ、ワクチン接種の役割を説いたが、保護者に対しては接種は個人の選択であり、医師に相談するよう促した。
ケネディ氏はコメント要請に応じていない。
トランプ大統領がCDC長官に指名した医師のウェルドン氏は来週、上院委員会の公聴会を控えている。一部の上院議員はウェルドン氏のワクチンに対する見解に懸念を表明している。ウェルドン氏はコメントを拒否した。
CDCのワクチン諮問委員会の元メンバーであるウィルバー・チェン博士は、連邦政府によるこのような調査は国民の一部にワクチンへの疑念を抱かせる可能性があると指摘した。
米国では2000年以降、自閉症の診断が大幅に増加し、社会的関心が高まっている。
多くの研究者は、診断件数の増加はスクリーニングの普及と、自閉症を表す行動の範囲が広がったためだと考えている。
自閉症とワクチンを関連付ける考えは、1990年代後半に英国の研究者が行った、自閉症診断の増加とMMRワクチン接種の普及を関連づける研究が発端だが、この研究結果はのちに誤りと判明した。