マレーシアGDP、第4四半期は前年比+5.0% 予想上回る

2月14日、マレーシア政府・中央銀行が発表した2024年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.0%増で、第3・四半期の5.4%増から減速した。クアラルンプールで2023年撮影(2025年 ロイター/Hasnoor Hussain)
[クアラルンプール 14日 ロイター] - マレーシア政府・中央銀行が14日発表した2024年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.0%増で、予想を上回った。
速報値とロイターがまとめた市場予想はともに4.8%増だった。
第3・四半期の5.4%増からは減速した。季節調整済みの前期比では1.1%減。第3・四半期は1.9%増だった。
中銀は投資と家計支出が25年の経済成長を押し上げると予想。ただ、世界の貿易・投資が制限されるとの見方が強まる中、主要貿易相手国の景気減速といったリスクが今後の見通しに引き続き存在すると指摘した。
中銀は第4・四半期のGDPについて、内需や堅調な投資、持続的な家計支出がけん引役になったとした上で「コモディティー産業の縮小が重しとなった。パーム油の生産減少や石油生産の縮小継続が背景だ」と述べた。
24年通年のGDPは5.1%増。23年は3.6%増だった。
政府・中銀は25年のGDPを4.5─5.5%増と予測している。
第4・四半期の総合インフレ率は前年比1.8%で、第3・四半期の1.9%から鈍化した。24年通年のインフレ率は1.8%。23年は2.5%だった。
中銀は、世界的なコスト状況の緩和と過度な国内需要圧力の欠如により、インフレ率は25年も管理可能な水準にとどまるとみられるが、政府の政策が物価上昇圧力に寄与すると警告した。
政府は昨年、軽油・電力・鶏肉などに対する補助金を削減した。
キャピタル・エコノミクスは、財政政策の引き締めと投資の鈍化により、今年の成長は若干鈍化すると予想。補助金削減が個人消費の重しになると述べた。
「今年のGDPは昨年の5.1%増から4.8%増に鈍化する見通しだ。ただ、補助金の削減でインフレ率が上昇するとみられ、中銀は当面金利を据え置くだろう」との見方も示した。