ニュース速報
ワールド

インド太平洋の米軍飛行場、中国の攻撃に脆弱=報告書

2024年12月12日(木)18時03分

12月12日、 安全保障問題に関する研究を行っている米スティムソンセンターは、インド太平洋地域で紛争が起こった場合、中国が飛行場を狙って攻撃すれば簡単に米軍の動きが阻害される、との見通しを示した。嘉手納の米空軍基地で2023年8月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Gerry Doyle

[シンガポール 12日 ロイター] - 安全保障問題に関する研究を行っている米スティムソンセンターは12日、インド太平洋地域で紛争が起こった場合、中国が飛行場を狙って攻撃すれば簡単に米軍の動きが阻害される、との見通しを示した。報告書は米軍に無人飛行機や滑走路の修理能力向上に投資するよう勧告している。

南シナ海と東シナ海を包含し、インドネシアから北東に弧を描いて日本まで続く第一列島線の内側の基地が、中国のミサイルの射程圏内にあることが最大の問題だと指摘。

もし中国が滑走路の破壊や機能停止に狙いを定めた場合、日本国内の飛行場を最低でも11.7日間は閉鎖させることができ、もっと離れたグアムや太平洋諸島の飛行場でも最低1.7日間は閉鎖させることが可能だと分析している。

さらに報告書は「中国は米国が空中給油作戦を実施するための滑走路の使用を拒否することで、米国の戦闘作戦をもっと長い間混乱させることができる」と指摘。

そのうえで、中国の攻撃計画を困難にするためには、無人機と電子戦に向けた投資を増やし、短い滑走路で運用できる有人航空機の開発、滑走路の修復と基地の回復力強化、友好国が米国に飛行場を開放するように同盟関係を強化することを推奨している。

米インド太平洋軍と中国国防省は、コメントの要請に応じなかった。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは153円半ば、日銀の追加利上げ思惑

ビジネス

ホンダが11%超高、日産が経営統合撤回との報道で

ビジネス

テスラ、欧州5カ国で1月の販売が低調 マスク氏の政

ワールド

米、SHEIN・Temuを「強制労働」リストに追加
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 5
    中国AI企業ディープシーク、米オープンAIのデータ『…
  • 6
    脳のパフォーマンスが「最高状態」になる室温とは?…
  • 7
    DeepSeekが「本当に大事件」である3つの理由...中国…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    AIやEVが輝く一方で、バブルや不況の影が広がる.....…
  • 10
    メキシコ大統領の外交手腕に脚光...「トランプ関税」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中