新たな貿易戦争なら欧米双方に打撃、独連銀総裁が米関税に懸念
ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は22日、新たな貿易戦争が起これば欧州と米国双方の成長に打撃が生じ、インフレも加速する恐れがあると懸念した。写真はナーゲル総裁。米ワイオミング州ジャクソンホールで23年8月撮影。(2024年 ロイター/Ann Saphir/File Photo)
[フランクフルト 22日 ロイター] - ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は22日、新たな貿易戦争が起これば欧州と米国双方の成長に打撃が生じ、インフレも加速する恐れがあると懸念した。また、遅れている経済統合を始動させるよう欧州連合(EU)首脳に迫る圧力が高まるとの見通しを示した。
政策担当者らは、トランプ次期米大統領が提案している関税は全ての関係国に損害を与える可能性が高いと訴えている。
フランクフルトで講演したナーゲル氏は「このような関税の導入は国際貿易紛争を再燃させ、われわれの多国間秩序をさらに損なう。他の計画と相まって、米国内外で国内総生産(GDP)を大幅に押し下げる可能性があるほか、おそらく大西洋の両側でインフレ加速につながるだろう」と指摘。
その上で、欧州は今団結し、国家の利益より共通の大義を優先させ、欧州の繁栄モデルを守る経済的枠組みを構築しなければならないと訴えた。