東南アジア、気候変動目標達成にはクリーンエネ投資が5倍必要=IEA
東南アジア諸国が気候変動目標を達成するには、2035年までにクリーンエネルギーへの投資を現在の約5倍に当たる1900億ドルに引き上げる必要があるとの試算を国際エネルギー機関(IEA)がまとめた。写真は風力タービンと太陽光パネル。中国・河北省で18年撮影。(2024年 ロイター/Stringer/File Photo)
[シンガポール 22日 ロイター] - 東南アジア諸国が気候変動目標を達成するには、2035年までにクリーンエネルギーへの投資を現在の約5倍に当たる1900億ドルに引き上げる必要があるとの試算を国際エネルギー機関(IEA)がまとめた。22日に発表した報告書に盛り込んだ。
報告書は、エネルギー投資の拡大とともに、東南アジアにある比較的新しい石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量の削減も必要になると指摘。また、エネルギー安全保障と気候変動目標の達成を目指す上で、急速な経済成長は課題になるとも言及した。
報告書によると、東南アジアの電力需要は今後数年間に年率4%増える。風力や太陽光などのクリーンなエネルギー源は、バイオエネルギーの活用や地熱発電と併せて35年までに東南アジアのエネルギー需要増加分の3分の1超を賄うことになると予測した。
ただ、今から21世紀半ば半ばまでの間に東南アジアのエネルギーに関連したCO2排出量は35%増加する見通しで、それらの施策だけでは十分でないと訴えた。
IEAのビロル事務局長は「クリーンエネルギー技術は十分な速度で広がっておらず、化石燃料の輸入に大きく依存し続けていることで各国は将来のリスクに大きくさらされている」とコメントした。