WTO事務局長、2期目続投意向 「やり残した仕事」に対処へ
9月16日、世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長(写真)は、さらに4年間の2期目続投を目指す方針を明らかにした。写真はスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム第54回年次総会でスピーチするオコンジョイウェアラ事務局長。1月撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)
Emma Farge
[ジュネーブ 16日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長(70)は16日、さらに4年間の2期目続投を目指す方針を明らかにした。早期の選出手続きを求めるアフリカ主導の広範な後押しを受けた。
オコンジョイウェアラ氏は2021年、初の女性であると同時に初のアフリカ出身者としてWTO事務局長に就任した。
同氏はロイターに対し「私の2期目は成果を出すことに集中するつもりだ」と述べ、優先事項には「やり残した仕事」への対処も含まれているとした。
これは漁業補助金の廃止に関する取り決めや農業交渉の打開、WTO紛争解決制度の改革、貿易の脱炭素化などだ。
正式には11月末までに続投を求めるかどうかを決めることになっているが、アフリカ主導の手続き早期開始の動きは、11月の米大統領選に先立ってオコンジョイウェアラ氏の2期目入りを確実にしておきたいとの考えもあるとみられる。
WTOのルールでは、他に誰も立候補せず、全ての国が彼女を受け入れれば続投が可能になる。
20年にトランプ米政権(当時)はオコンジョイウェアラ氏のWTO事務局長就任を阻止。トランプ氏が「恐ろしい」と評したこともあるWTOへの攻撃と見られた。21年にバイデン米大統領がトランプ氏の後を継ぐと、米国はオコンジョイウェアラ氏を支持した。