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中国共産党大会が開幕、習氏「新時代の社会主義国築く」
10月18日、中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、党大会開幕に当たって演説し、他国の政治制度を決して模倣しない、世界に開かれた「現代の社会主義国」を築くと表明した。演説のTV中継を眺める人々。南京で撮影(2017年 ロイター)
[北京 18日 ロイター] - 中国共産党の習近平総書記(国家主席)は18日、党大会開幕に当たって演説し、共産党の揺るぎない指導の下で世界に開かれた「新しい時代」に向けて、「現代の社会主義国」を築くと表明した。
習氏は3時間半近くにわたる演説で、「長期にわたる努力を経て、中国の特色を備えた社会主義が新しい時代に入った」とし、「わが国の発展において新たな歴史的方向だ」と強調した。演説では「新時代」という文言が36回使用された。
習氏は、海外からの投資規制を緩和し、サービス部門へのアクセスを拡大するほか、人民元や金融システムについて市場志向の改革を深化する考えを示した。一方で、国有企業の強化にも同時に取り組むとした。
中国は世界と全面的に関わるとし、気候変動問題に取り組む方針を改めて表明。トランプ米大統領が推進する「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」政策に間接的に言及したとみられる。「人類が直面する多くの課題に単独で取り組むことができる国は存在しない」と語った。
習氏は、2035年までに「基本的に」現代化された社会主義国を構築するという構想を提示。世界で最も革新的な国の1つとなるとし、都市部と農村部の所得格差の大幅縮小、環境問題の解消を目指すとした。
2050年までに中国が現代化された社会主義の「強国」となり、世界に大きな影響力を持つようになると強調した。
このほか、中国の政治制度は国民の基本的な利益を守る最も広範かつ誠実で、効果的な方法だと訴え、「他国の制度を単に機械的に模倣すべきではない」と述べた。
習氏はさらに、共産党が直面する最大の脅威は汚職だと言明。汚職対策が「圧倒的な態勢」を整えたとして、成果を強調した。その上で、汚職との戦いは「今後も常に続く」と宣言した。
習氏は5年前に国家主席に就任して以来、汚職根絶に取り組んでおり、100万人以上の役人が処罰されたほか、数十人の元高官が投獄された。
習氏は北京の人民大会堂に参集した2000人余りの代表に対し、「反汚職闘争は圧倒的態勢を整え、進展とともに強化された」と述べた。
また、中国は過去5年間にわたり台湾の独立に断固として反対し、阻止してきたと語った。
北朝鮮については演説では言及しなかった。
共産党大会は5年ごとに開かれ、党最高指導部である政治局常務委員会の人事が行われる。
習氏は中国の発展はいかなる国にとっても脅威にはならないと強調した上で、中国は開かれた世界経済を支持するとの姿勢を示した。
さらに、高速な経済成長から質の高い経済成長への転換を目指し、経済・金融改革を深化させ、外国人投資家への市場開放を一段と進めるとの方針を明らかにした。
習氏は、金融システムに加えて外為相場の改革においても、市場原理に根ざした改革を進めると主張。「わが国の開かれた扉が、閉ざされることはない。さらに大きく開かれるだけだ」と述べた。
政府として「一元管理された市場や公正な競争を妨げる規則や慣行を撤廃し、民間企業の発展を支援し、あらゆる種類の市場主体の成長力を活性化させる」と語った。
一方で、国有企業をより大きく、強固なものにすると主張。政府は「国有資本の強化、改善、拡大を進め、国有資産の損失を有効に防止し、国有企業の改革を進化させ、混合所有制度(民間資本参加)を進め、世界的に競争力のある世界規模の企業を育てる」方針を示した。
中国共産党は以前から、効率を高め、経済をより持続可能な成長軌道に乗せるために自由市場が果たす役割を拡大させると表明してきた。習氏の今回の発言は、こういった姿勢をあらためて明示したものだ。
ただ、習氏が2期目に向けて準備する中で、経済政策への中央集権的アプローチや安定性への注力の方が習氏にとっては重要であり、市場の自由化は二の次だとの見方が外国企業の経営陣やアナリストの間で広がっている。
多くのエコノミストは、膨張し債務負担が重くなっている国有部門の改革、地方政府の債務問題に対処するための財政制度の調整、住宅バブルを抑制する新規不動産税の導入などが必要だとみている。こういった痛みを伴う改革は、習政権下で緩やかなペースで進んでいる。