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スペイン、独立巡りカタルーニャに説明要求 自治権停止を視野
10月11日、スペインのラホイ首相(写真)は、北東部カタルーニャ自治州の独立問題について、独立を宣言したかどうか公式な立場を表明するよう自治政府に求めた。(2017年 ロイター/Sergio Perez)
[マドリード/バルセロナ 11日 ロイター] - スペインのラホイ首相は11日、北東部カタルーニャ自治州に対し、独立を宣言したかどうか公式な立場を示すよう求め、独立を宣言したのであれば8日以内に撤回するよう要求、撤回しない場合は憲法155条に基づいて同州の自治権を停止する考えを示した。
ラホイ首相は自治権停止後に州議会選挙を前倒しで実施する可能性が高い。
カタルーニャ州のプチデモン首相は10日、象徴的な独立宣言をしたものの、その後直ちに、効力は一時停止すると発表し、中央政府との対話を求めた。
ラホイ首相はテレビ中継された演説で「内閣はカタルーニャ政府に対して、独立を宣言したのか、していないのか確認することを公式に要求することで合意した」と表明。「カタルーニャからの回答が今後の流れを決める。数日中に決まる」とし、今後も「慎重かつ責任ある形で」行動すると述べた。
ラホイ首相はその後、スペイン議会で、カタルーニャ州政府は10月16日0800GMT(日本時間午後5時)までに回答しなければならないと述べた。また、独立を宣言したと認めた場合、3日後の19日0800GMT(同)までに撤回しなければならないとし、撤回しない場合は憲法155条を発動すると言明した。
カタルーニャ州がこの要求に応じるかどうかは不透明だ。プチデモン首相が独立を宣言したと認めれば、中央政府の介入を招くことになる。一方、宣言していないと回答すれば、極左政党CUPは州政権への支持を取り下げる公算が大きい。
調査会社テネオ・インテリジェンスの副ディレクター、アントニオ・バローゾ氏は「ラホイ首相には2つの狙いがある。プチデモン首相があいまいな立場を維持すれば、独立推進派の足並みが乱れることが予想され、逆に独立を擁護する立場を貫けば、憲法155条の発動が可能になる」と述べた。
その上で、いずれにしても、ラホイ首相はカタルーニャの法秩序を回復した上で、ある段階で地方選挙を前倒しする可能性があるとの見方を示した。
*内容を追加しました。