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北朝鮮巡る不透明感高まる、米国にさらなる「贈り物」と警告

2017年09月06日(水)08時45分

 9月5日、北朝鮮による6回目の核実験を受けて各国が対応を急ぐ中、北朝鮮の韓大成駐ジュネーブ国際機関代表部大使(写真)は当地で開催された国連主催の軍縮会議で、米国にさらなる「贈り物」を届ける用意があると言明した(2017年 ロイター/Denis Balibouse)

[ジュネーブ/ソウル 5日 ロイター] - 北朝鮮による6回目の核実験を受けて各国が対応を急ぐ中、北朝鮮の韓大成駐ジュネーブ国際機関代表部大使は5日、当地で開催された国連主催の軍縮会議で、米国にさらなる「贈り物」を届ける用意があると言明した。同国を巡る情勢は不透明感が高まっている。

韓氏は、北朝鮮が「9月3日に大陸間弾道ロケット向けの水素爆弾実験を行い、成功したことに満足している」と語った。

さらに、北朝鮮の最近の自衛措置は米国に宛てた「贈り物」だとし、「北朝鮮に圧力をかけようとして無謀な挑発行為や無益な試みに頼るのであれば、米国はさらに多くの贈り物を受け取る」と語った。

米国のヘイリー国連大使は4日、国連安全保障理事会の緊急会合で、朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「戦争を追い求めている」ようだと非難。15カ国で構成する安保理に北朝鮮に対し「可能な限り厳しい」制裁措置を科すよう求めた。

一方、安保理常任理事国であるロシアのネベンジャ国連大使は、米国が新たな制裁案について9月11日の採決を目指していることについて「少し早過ぎる」と指摘、新たな制裁に消極的な姿勢をうかがわせた。

米ホワイトハウスのサンダース報道官は5日、トランプ大統領は北朝鮮による核実験実施に対応するにあたり、朝鮮半島の非核化をなお最優先事項に掲げていると述べた。

同報道官は記者団に対し、外交的、経済的な手段を含む「すべての選択肢が検討対象となっている」と述べた。ただ、米政権は北朝鮮との対話は現時点では検討の対象としていないことを明らかにした。

外交筋によると、安保理は制裁強化に向け、北朝鮮からの繊維輸出の禁止や国営航空便の乗り入れ禁止、同国政府・軍への石油供給の停止のほか、北朝鮮人労働者の海外での雇用禁止、北朝鮮高官に対する資産凍結などの措置を検討する可能性がある。

ただ、北朝鮮への制裁はこれまで、同国の核・ミサイル開発を阻止するには至らなかった。

ヘイリー大使は5日、追加制裁が北朝鮮の行動に変化をもたらす可能性は低いと認めた上で、弾道ミサイルと核の開発プログラムの資金源を断つことにつながるとの見解を示した。

韓国によると、2016年の北朝鮮の貿易は対中国が92%を占めた。中国外務省は5日、安保理の協議に「責任ある態度で建設的に」参加する方針を表明した。

トランプ大統領とメイ英首相は5日、電話会談を行い、北朝鮮にミサイル発射実験をやめるよう説得するため、中国はさらなる行動が必要との認識で一致した。

*内容を追加しました。

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