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英がEU離脱正式通知、メイ首相「後戻りしない」
3月29日、英国のメイ首相はEU基本条約(リスボン条約)50条を発動し、EUに対して離脱を正式に通知した。離脱通知書簡に署名するメイ首相(2017年 ロイター/Christopher Furlong)
[ロンドン 29日 ロイター] - 英国のメイ首相は29日、欧州連合(EU)基本条約(リスボン条約)50条を発動し、EUに対して離脱を正式に通知した。メイ氏は議会で「50条に基づく離脱手続きが英国民の意向に沿って始まった。英国はEUを離脱する」と表明した。
「これは歴史的な瞬間で、後戻りすることはない」とも語り、向こう2年間の離脱手続きが始まった。
メイ氏はEUのトゥスク大統領側への書簡で、「EU離脱の条件とともに、将来的なパートナーシップの条件についても合意する必要がある」とし、英国がEUと野心的な自由貿易協定の締結を望んでいることを表明した。
「英国が合意なしにEUを離脱すれば、世界貿易機関(WTO)ルールに従って貿易を行うということが基本姿勢となる」とも指摘した。
メイ氏は、経済と安全保障を明確な形で関連付けて、EUと特別な関係を求める意向を示した。
<交渉期間「ひどく短い」との声、行方不透明>
2度の世界大戦を受けた、欧州統一への取り組みに英国の離脱は大きな打撃となる。
EU単一市場へのアクセスや銀行免許のほか、移民などの問題を巡って、交渉は難航が予想される。特に今年はフランスとドイツで選挙を控え、見通しの不透明感は高まっている。
ドイツ外務省は、英国とEUの新たな関係構築に向けた協議は難航するとの見方を示すとともに、原則2年間とされている交渉期間は「ひどく短い」と英国に対して警告した。
ドイツのメルケル首相は、交渉に「公正かつ前向きな」アプローチで臨む姿勢を表明したが、離脱条件が確定するまで将来の関係に関する協議は行わない考えを示した。
メルケル氏は「EU加盟に伴う多くの権利と義務の問題に取り組むべき」と指摘。「その後ようやく、われわれは将来の関係について話し合うことができる」とした。
EUのトゥスク大統領は、英離脱により生じる、加盟国の国民および企業へのコストを最小限にとどめるとの意向を表明した。
48時間以内に他のEU加盟27カ国に、交渉ガイドラインの草案を送付する。27カ国の駐EU大使は今後ブリュッセルで会合を開き、対応を協議する。
英EU離脱手続きについて、欧州議会は取り消し可能との認識を来週採決予定の決議案で示した。
*内容を追加します。