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韓国の韓進海運、保有船の差し押さえ回避へ各国で法的措置を検討

2016年09月05日(月)16時51分

 9月5日、韓国の裁判所に法定管理(会社更生法に相当)を申請した国内海運最大手、韓進海運は、保有する船舶の差し押さえを避けるため、世界各地で法的措置を取ることを計画している。韓国当局が明らかにした。写真はソウルで8月撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 5日 ロイター] - 韓国の裁判所に法定管理(会社更生法に相当)を申請した国内海運最大手、韓進海運<117930.KS>は、保有する船舶の差し押さえを避けるため、世界各地で法的措置を取ることを計画している。韓国当局が明らかにした。

同社が先週31日にソウルの裁判所に法定管理を申請した後、同社の船舶が世界各地で入港を拒否されるケースが増えている。

韓国の海事当局によると、5日までに、韓進海運のコンテナ船61隻とバラ積み船18隻が入港を拒否された。同社によると、このうち1隻はシンガポールで債権者に差し押さえられたほか、多くの港湾当局と港湾サービス会社が同社の船舶を扱う際に現金を要求しているという。

同社は141隻の船舶を保有。うち128隻が運航している。

米国では、少なくとも3社が韓進海運に対し、債権未回収を理由に船舶などの資産の差し押さえを求める法的措置を取った。

法律の専門家は、韓進海運が船舶の差し押さえを回避できるかは管轄区域によると指摘する。

韓国貿易協会によると、韓進海運の船舶が現在運搬中の貨物は総額16兆ウォン(145億ドル)相当、荷主の数は8300余りに上る。同社の未払い債権は6100億ウォンという。

同社はすでに米ニュージャージー州の裁判所に連邦破産法第15条の適用を申請し、船舶などの資産の保全を要請。韓国の金融監督当局は、同社が今週中に約10カ国で同様の法的手続きを行い、最終的には法的保護を求める管轄区域を43まで拡大する方針だと明らかにした。

ロイター
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